シヤチハタ「つまめるはんこ」。計算された傾斜によって、下方向への力がかけやすい。色は黒と白がある

シヤチハタの「つまめるはんこ」は、印鑑の円柱部分のほとんどを削って、つまんで持てる形にしたもの。
今年の4月14日にMakuakeで先行販売され、「文具のとびら」でも紹介されました。
https://www.buntobi.com/articles/entry/news/017398/

私が購入したのは、印影に対して縦向きの形ですが、横向きも注文できます。
自分のつまみやすい形を選べるのはとても良いですよね。

一般的な印鑑は、押す支点が上の方にあるため、どうしてもふらつきがち。
私の場合、印影の端が薄かったり欠けたりすることもよくあります。
あと、斜めになっちゃうことも多いですね…。

つまめるはんこは、この形の工夫によって、支点を下の方へ移動しています。
印面に近いので、それだけで押す力が安定するのを感じます。
そして、印面に対して縦になったこの形が、斜めになりがちな私の印影をまっすぐにしてくれます！

つまめる形になったことで、こんなに押しやすいなんて思いませんでした。
いやはや、これはすごいです。
つまむだけでなく、様々な持ち方ができるのも嬉しいところ。
はんこを押すのが苦手に感じている方にぜひ試していただきたいです。

つまむだけでなく、人差し指と中指ではさんでも固定できる

ただ、私の場合、ずれたりせずに押せるようになるまでしばしの慣れが必要でした。
印面がやや滑るように感じます。素材の影響なのか、はんこ自体が軽くて動きやすいからなのかは分かりませんが。
持ちやすく押しやすいと感じる一方で、初めのうちは「あっズレた！」「あれ、下が欠けてるな…」などと何度も練習しました。結局、押しやすくても慎重にゆっくりした動作で捺印することが大切だと思った次第です。

また、私が感動したのは、このはんこケース。
めちゃくちゃ軽いんです…！


そして、がま口の幅が広く、少し力を入れただけでパカリと開いてくれるのも嬉しい。

はんこの形に沿ったへこみがあり、ビロード風のケース内部がしっかりとキャッチしてくれています。決まった位置でキープしてくれているので、つまんで出しやすい！


また、逆向きに開けてしまっても、きっちりハマっているのではんこが転げ落ちたりしません。

朱肉のフタはかためで、やや開けづらいかも。中の朱肉はたっぷり付くので軽く押し付けるだけで充分です。私は自宅ではシヤチハタの「シクオス」を使っているので、そちらで対応しています。

ケースを閉じるときは、やや力が要ります。広がる力が強めなんですね。このお陰で開けやすいんですもの、ここは仕方ありません。握力15kgだと閉じることはできました。

Makuakeでの先行販売は6月11日に終了し、7月26日から購入者への発送が開始されています。出荷完了は11月を予定していて、その後に公式オンラインストア「シヤチハタオフィシャルショップ」で販売予定だそうです。一般販売予定価格は4,800円。

波子
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて連載「車いすでみるなら」2015年2月～2019年5月、全70回。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」http://nam-kid.hatenablog.com/
初の著書『弱い力でも使いやすい 頼もしい文具たち』を2022年10月25日に小学館から発刊