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【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #6「使いやすい携帯はさみ」

波子

「手の力が弱い」と聞いたとき、まず「握力が弱いんだな」とイメージされるのではないでしょうか。確かに、握力が最も判りやすい数値です。私も、自分がまだあまり筋力の衰えを感じていなかった頃はそう思っていました。
けれども、「握る」力だけが弱くなる訳ではなかったりします。私の場合は「指をまっすぐに伸ばしてキープする」「手のひらを開く」「開いたままキープする」ことが苦手です。握力よりもそちらの筋力の方が弱くなっている自覚があります。

文具の中にも、手のひらを開く動作を必要とするものがありますよね。
そう、「はさみ」です。
といっても、私自身もはさみを使うときに「手のひらを開いている」だなんて自覚したのは、それが苦手になってからです。

今回ご紹介するのは、そんな私が愛してやまない「携帯はさみ」。
いつもカバンの中に入れている、心強い味方です。

プラス「フィットカットカーブ ツイッギー」

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プラスの「フィットカットカーブ ツイッギー」は、はさみの刃が常に最適な角度(約30°)で交わって刃の根元から刃先まで変わらぬ切れ味を発揮する「ベルヌーイカーブ刃」で名高い「フィットカットカーブ」シリーズの携帯はさみです。
携帯はさみとしては刃先が長めで、タグなど細い物を切るだけでなく、少々の距離なら普通に切り進められるのも嬉しいツイッギー。
しかし、私にとって最大に嬉しい特徴は、その持ち手にあります。

刃先が長めの携帯はさみは、どうしても持ち手が長くなります。スティック状の持ち手はバネの力で常に開いているため、握って持つためにまず手のひらをいっぱいに開く必要があるのです。それが私にはちょっと難しい。そして、握って切った後、開く持ち手に対してバネの力を押さえ込むようにして開きすぎないようキープするのもまた力が要ります。

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持ち手は親指側だけ短いため、手のひらをいっぱいに開かなくても操作できる


ツイッギーの持ち手は、親指側だけが短くなっています。
つまり、手のひらを頑張って開かなくても、力を抜いて軽く握る形で、両の持ち手を手の中に収めることができるのです。
そして、切り進むときも、軽く握った状態から親指を上下させるだけで刃を開閉させられます。
これが私には絶妙に使いやすいんです。すばらしい。

そして私がツイッギーを推すもうひとつの理由は、カバンから出して使ってまたカバンに仕舞うまでの動作が、片手で完結すること。
キャップを親指と人差し指で掴んで外し、ストッパーを親指でスライドさせて解除し、切って、刃を閉じてストッパーをかけ、キャップ(断面が楕円形なので転がりません)をはめる。ここまで全て片手でできます。
切りたい物を左手に持ったまま、右手でさっとカバンからツイッギーを出してそのまま切れる訳です。本当にすばらしい。


20180820yowai3.jpgキャップを外し(左)、ストッパーを指でスライドさせて解除(右)


20180820yowai4.jpg刃が開いた状態(左)、刃を閉じてストッパーをかける(右)


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キャップをはめる、これらの一連の動作がすべて片手で行える

私にとって「フィットカットカーブ ツイッギー」は、なくてはならない携帯はさみなのであります。

プロフィール

波子
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて「車いすでみるなら」連載中。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」 http://nam-kid.hatenablog.com/

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