【連載】月刊ブング・ジャム Vol.17 夏休みスペシャルその3
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。Vol.17では、「夏休みスペシャル」として、ブング・ジャムのみなさんがおすすめする“夏休みに使いたい文房具”を4日連続で紹介します。第2回目は、きだてさんが選んだ工作するためのアイテムです。
切って、貼って、おすすめ工作キット!
――次はきだてさんですね。何の括りになるんですか?
【きだて】俺は工作する道具を紹介しますよ。
【高畑】観察する方から作る方だね。
【きだて】観察した後は作りましょう、と。最近のアイテムだと、これがめっちゃ良かった。3Mの「スコッチ 速く接着する工作のり」というそのままの名前だけど、これが実際に使ってみると本当に驚くほど速くて驚いた。ダンボール同士を接着して、10秒で実用強度まで行くってあんまりなかったと思うんだ。
【高畑】これ、速く固まるんだよね。しかし、子どもの頃って、何であんなに我慢できないいのかね?
【きだて】子どもの工作の失敗の理由って、第1が「乾燥が待てない」じゃん。
【高畑】接着と塗装な。乾いてないのに触って指紋が付くやつとか。
【きだて】本当に、俺はそういう子どもで。
【他故】そうなんだ(爆笑)。
【高畑】分かるわ~。
【きだて】俺の小学校時代の工作って、基本的に接着はセロハンテープなんですよ。乾燥時間が待てないから。
――あ~。
【他故】うちもそうだけど。大体、木工用ボンドってすぐに乾かないじゃない。
【きだて】一遍はがしたら、またくっつけてもダメなんだよ。
【高畑】木工用とかは、ちゃんと加圧して1分ぐらい持っていてあげればちゃんと着くんだけど、子どもの頃はそれすら待てない。
【他故】そう、すぐやりたくなっちゃう。
【きだて】これは本当に10秒だものね。
――試してみましょうか。
【きだて】うん、試しましょう。
【高畑】ペトッと貼って、ギュッと押しつけて、10秒数えれば。
――(ダンボール同士をくっつけて10秒数えてから)本当だ、くっついてますね!
【他故】もう実用じゃん。
【高畑】それに体重をかけてぶら下がれとは言わないけど、次の工作に移れるんだよね。
【他故】行けるよ。
【きだて】とりあえず、数えて子どもが待てるカウントのギリは10なんだよ。
【高畑】そう! 分かる、分かる。
【きだて】10まで数えろ、が待てる上限。
【高畑】そうなんだよ。お風呂で100数えるのは長いんだよ。
【他故】それは絶対に数えない(笑)。
【きだて】無理、無理。だから10数えるのをクセ付ければ、これで接着剤での工作は完成するんだよ。
【他故】するんだね。うわ~。
――これ、のりが結構はみ出ますね。
【きだて】かなりシャバシャバで水っぽいからね。木工用ボンドの感覚で出すと広がっちゃう。
【高畑】まあ、それに使い慣れれば大丈夫だよ。
【きだて】要するに紙の繊維に速く浸透することで、乾燥も速くなるという理論なのね。でも、ペットボトルとダンボール、みたいな組み合わせでも1分あればくっつくよ。
【高畑】片側が吸水面ならば、もう片側が非吸水面でも付くんだ。それはちょっと面白いよね。ペットボトルに付くのは、驚きの感があるよね。
【きだて】ペットとダンボールはなかなか接着できないですよ。
【高畑】くっつくやつはあるんだけど、時間がかかるんだよ。
――ペットボトル工作で、紙を貼ったりすることもあるから。
【他故】工作で中心なのはそこですからね。ペットボトルが母体で、そこに貼り付けることが多いので。
【きだて】ペットボトルロボットみたいなのとかさ。
【他故】ペットボトルロケットなんて、すぐにできちゃう。
【高畑】くっついてくれるのがいいよね。これはすごい。
――ダンボールの上にテープが貼ってあっても大丈夫なんですね。
【きだて】行けちゃう。
【高畑】両方非吸収面のときだけくっつかないので。(ダンボール片とペットボトルをくっつけて)でも、今これを貼って持ち上がるんだからさ、結構ちゃんとしているよね。
【きだて】大したもんですよ。
【他故】工作としてはこれで充分。
【きだて】ただね、子どもに使わせると、勢いよくジャバーッて出しちゃうと思うので、そこだけ注意ね。
【他故】あ~、ジャブジャブ使っちゃうんだ。
【きだて】だから、これよりも大きい徳用ボトルもあるといいな。
【他故】なるほどね。
【高畑】もしかしたら、中身が固まっちゃうから、小分けにした方がいいのかもしれない。
【きだて】多分、そういうことなんだろうけどね。
【他故】これ、いくらぐらい? 大容量にすると高くなるとかそういうのじゃないよね。まあ、普通に売っている接着剤のパッケージぐらいだよね。
――オープン価格になってますね。
【高畑】ヨドバシだと税込で486円。大体500円くらいで売っているんじゃないかな。
【他故】これは欲しいですね。
――他故さん家は確実に欲しいですよね。
【他故】うちの工作も基本、ダンボールなんですよ。だけど、うちの子も待てないので、セロテープでグルグル巻きにしちゃうから。
【きだて】あ~、40年前の俺がそこにいる!
【他故】剣を作ると、ビニールコーティングされてるから(笑)。
【きだて】そう! ビニールコーティングかガムテコーティングなんだよ。
【他故】そういうときに、細かいパーツを付けられないんだよね。
【高畑】そこがあれなんだよね。
【他故】使い方さえ間違えなければ、これで大丈夫か。
【高畑】使い方というか、これは接着剤みたいな怖さがないんだよ。指に付いてもネチョネチョするだけだから。
【きだて】水性だから、洗い流せる。
【他故】そういう意味では、安全性も高いんだね。
【高畑】夏休みの工作というと、俺らの子どもの頃はいろんな材料があったんだよ。新聞紙があって、フィルムケースのキャップがあって、割り箸があって、糸巻きがあってとか。
【きだて】糸巻きもなくなったな~。
【高畑】フィルムケースもなくなったでしょ。ペットボトルのかたちもバラバラになっちゃったし、いろんなものがなくなったじゃん。俺らの子どもの頃は、カセットテープのケースとかもあったし。
【他故】あったね。
【高畑】みんなが使える工作材料が減ってきて、逆に何が増えたかというと、ダンボールが増えたんだよ。
【きだて】そうなんだよ。ダンボールのストックはいくらでもあるね。潤沢に。
【他故】まさしく、捨てるほどあるからね。
【高畑】いつ捨てようかという感じじゃないですか。捨てられる日に捨てられないから、どんどん家に積み上がってくんだよ。
【きだて】うちは大量に来すぎるから、毎週捨てないと追っつかないんだよ(笑)。
【他故】家の中に置いておく場所もないみたいな(笑)。
【高畑】今は、ダンボールだったら贅沢に工作に使えるし、こののりと家に届いている山ほどのダンボールを使えば、何かしら作れるわけじゃん。
【他故】昔に比べれば、大きいものが作れると考えてもいいんだね。ダンボールの量が全然違うから、着るとか持つものが平気で作れるようになった。
【高畑】そういうときこそ、こののりなんだよ。ダンボールを体に合わせて貼って、10数えればさ。
【きだて】そう、それで貼っちゃえばいいんだよ。
【他故】こののりを使えば、それが初めて解決するという感じがすごくする。一人でできる可能性も出てきたわけでしょ。
【高畑】もちろん、他の紙にも付くけど、ダンボール工作に最適なのりなので。
【きだて】まさに、今ののりだよ。
【他故】そうだよ。21世紀ののり。
――これは、接着力も強そうですよね。
【きだて】子どもの工作レベルであれば、何の不満もないはずだよ。ダンボールハウスみたいな構造物はちょっと難しいけど、でも普通に「工作のりで接着しました」というレベルの強度はちゃんと出る。
【高畑】俺らの子どもの頃って、家の中にダンボールで家を作るとかやったじゃない。そんなの余裕で作れるよ。こんだけ接着してれば、さっきの剣を作るとか、鎧を作るとかだったら全然できるよ。
【他故】パーツを生やすという、今までできなかったことが簡単にできるようになるから。
【高畑】(先ほど試しに貼ったものを手にして)そんな話をしているうちに、めちゃくちゃ強くなったよね。
【他故】もう、離れないよ。
【きだて】10秒経った段階ではがそうとしても、ダンボールの表面がはがれるだけだから。
【他故】ダンボールを作っている箱の接着力と同じですよ。
【高畑】あとは、頑張って積層とかすれば、かなり頑丈な、人が乗っても大丈夫なものは作れるよ。
【きだて】あとね、割と難しい、ダンボールと割り箸の接着もこれはすごく強く付くよ。
【他故】あ~、そうか。
【きだて】割り箸って、接着面積が狭いのと、乾燥するまでの圧着固定がしにくいので、今までの接着剤だと強くくっつけるのが難しいんだわ。
――割り箸と割り箸はいけるんですか?
【きだて】もちろん、いけますよ。水分を吸うので全然速いよ。
【高畑】木工用ボンドと最終的な強度はそう変わらないかもしれないけど、僕らの頃みたいに、目玉クリップではさんで待つというのがないんだよね。
【きだて】木工用ボンドで実用強度を出そうと思ったら、極端な話、一晩とかそのぐらい乾かすこともあったから。
【高畑】10秒というのは、荷重がかかるやつはダメなんだよね。紙ぐらいだったら大丈夫だけど。くっつけて10数えたところで、自重に耐えられないとメリッとはがれたりして。10秒後すぐに作った剣で遊んだりしなければ、10秒経って固定されているというところがすごく大事。
【他故】本当にそう思う。
【きだて】とにかく、子どもは固定されさえすれば落ち着くから。
【高畑】そう、そこ。
【きだて】固定されていないうちから触っちゃうからダメになるんで。
【他故】それで、キーッとなっちゃうから。
【高畑】子どもって、時間が待てない生き物だよね。
【他故】各家庭に1個あってもいいぐらいだよね。
【きだて】常備すべきだと思うよ。特に、夏休みの工作をやるときはマストであった方がいい。
【高畑】ネットで調べると、通販のダンボールを使った、家の中の整理グッズの作り方とかいっぱい出ているから。あと、ダンボール箱を小さくして留めるとかもできるので、そうやってちょこちょこっと使えれば。何やかんやでよかったりするから。俺は、引き出しの仕切りをダンボールで作っているから。その時は、まだこののりがなかったから、木工用ボンドで付けて、Wクリップで留めて、1、2時間待って付けるということをやっていたから。これだったらはかどるよ。
【きだて】おすすめでございます。
――それで、切るものですね。カッターとカッターマットで。
【きだて】俺は本当に特殊で、外工作というのがやたらにあったりするわけですよ。
【他故】お家ではなくて、持ち出しで(笑)。
【きだて】ドトールのテーブルの上で、カッターマットを広げていたりするわけですよ。
【高畑】ちょっとそれはどうかと思うけど…。
【きだて】まあ、特殊な状況で。で、カッターの刃を折るのをどうしようかと、ずっと模索してたんですよ。前まではコクヨの「フレーヌ」にオマケでついてきた刃折り器を使ってて。
【他故】小っちゃいやつね。
【きだて】非常に小さいし、これでいいかなと使ってたんですけど、最近はオルファの「DA-1」(写真)に切り替えました。「刃折り器付きS刃」ってやつ。カッター本体と刃折り器の一体型なので、さらに場所を取らなくなった。俺はこれにオルファの「特専黒刃」を入れてるので、頻繁に刃を折らないと切れ味が落ちちゃうから…(速く接着する工作のりで工作をしている高畑編集長を見て)おい、黙々と工作始めるなよ、隣でよぉ。
【高畑】いや、聞いてますよ。
【きだて】腹立つなぁ(苦笑)。
【他故】典型的な聞いてない子だ(笑)。
――落ち着かない子だなぁ、大丈夫ですか(笑)。
【高畑】だって、楽しいんだもん。
【きだて】しかも、のりを好き放題消費しやがって(笑)
【高畑】はい、すみません。
【きだて】話を戻すと、とにかく頻繁に刃を折るわけですよ、外で。刃を折るなら「ポキステーション」という最適な道具があるんだけど、あれは持ち歩くもんじゃないし。
【高畑】あれはじゃまだよ。
【他故】筆箱に入らないからね。
【きだて】で、筆箱に入る刃折り器でのベストは何だろう、と。エヌティーの「30°刃」だと、替え刃ケースと刃折り器がセットになっていたりするんだけど。
【他故】替え刃と一緒になっているんだ。
【きだて】そう。
【高畑】替え刃ケースに付いているのがあるよね。
【きだて】それを持ち歩くのは合理的なんだけど、替え刃ケースとしてはややゴツくて邪魔なんだ。
【他故】幅が倍になるからね。
【高畑】替え刃ケース持っていかなくても、1本入っていれば使えるからね。
【きだて】とりあえず保つんだ。
【他故】替え刃を替える話じゃないからね。
【きだて】でも、刃は外出先でも折るから。それで「フレーヌ」のケース使ってたんだけどね。で、実はカッターナイフ本体に刃折り器がついてるのって、L刃カッターで出てるのは知ってたんだけど、S刃にも出てるって長らく知らなかったのよ。
【他故】そうなんだ。同じぐらいのタイミングじゃなかったっけ?
【きだて】ホームセンターだとL刃の「DL-1」は結構あるんだけど、S刃は見なくて。
【他故】そっか。どちらかというと、文具ルートの方が広かったのかな。
【きだて】「DA-1」もハンズとかだと工具売場にあるんだけどさ。それでも、俺がうっかり見逃してて。恥ずかしながら、今年の春ぐらいに「あっ、S刃の刃折り付きもあったんだ」とようやく知りました。――それがこのカッターなんですね。
【きだて】そうです。刃折り器が裏側にあるんだけど、テコの原理でパコッと外れるようになっていて。
【他故】めちゃくちゃよくできているよ。
【きだて】うん、よくできてるんだわ。一体型のコンパクト版ということで、刃を差し込む穴がやや小さくて見づらいのが難かな。刃を折るのが怖いタイプの人だと、ちょっと使いづらいかもね。
【他故】どっちかというと、刃を絶えず折りたいという中上級者向けなのかね。
【きだて】そういう感じだと思います。
――折った刃をその中に入れておけるんですね。
【他故】そう。フタをしちゃえば、出てこないし。
――刃を折れるカッターは普通にありますよね。
【高畑】だけど、折ったやつがね。あれ困るんだよね。外で折っちゃうとさ。
――危ないですよね。
【高畑】テープでグルグル巻きにするとかさ。
【きだて】そうそう。昔は折った刃をマステでグルグル巻きにして筆箱の中に入れてたんだけど、うっかり捨てるのを忘れて、ヒヤッとすることもあるから。
【高畑】あるある、それはある。
【きだて】だから、折った刃を安全かつ省スペースで保管したかったんだけど、これがようやく解決したわけですよ。
【他故】このケースも半透明なので、入っているかどうか分かるんですよ。
【きだて】あとね、刃関係だとエヌティーの「超鋭角黒刃」も最近知って。まだ使ったことなくていま注文してるとこなんだけど、早く使ってみたいんだ。「特専黒刃」よりもさらに鋭角に研ぎ上げられてるということで、切れ味が気になるわー!
【他故】そうなんだ。
【きだて】ただ、相当に刃がなまるのが早そうなので、「DA-1」がさらに活躍するのかなと思って。
【高畑】超鋭角でも普通の刃でも、交換するのに困るものね。そこはやっぱり大事だよね。
【きだて】折った刃の行き場って、困るよね。折らなきゃ使い物にならんし。
【高畑】とにかく、刃は折れだよね。
【他故】本当にそう思うね。
【きだて】そしてこれです。「折りたたみカッティングマット」。
【高畑】マットは大事。マットを使わないでスタバでカッター使ってたら怒るよ。
【きだて】そらそうだよ。机がとんでもないことになっちゃうじゃない。
【高畑】それはダメっすよ。
【きだて】なので、カッターマットも常に持ち歩かなきゃね。今はこういった折りたたみ式のマットもいろいろ出てるしね。オルファからも出ているし。
【他故】それはナカバヤシ?
【きだて】そう、ナカバヤシだね。あともう1社ぐらい出てたんだよな。
【高畑】結構出てるよ。
【きだて】はじめて折りたたみマットを見て「頭いいなー」と思ったのは、折り曲げるところが波線になってるんだよね。なので、カッターで直線切りをしても刃が折れ線に入り込まないんだよ。
【高畑】それ大事。
【他故】すごい頭いいよね。
【きだて】で、家庭でカッターマットがあまり使われてない理由って、マットが大きくて邪魔、というのがあると思うんだ。A3サイズのマットが収納できる場所ってあんまりないかもだけど、それが半分のA4になれば大丈夫でしょ。
【高畑】きだてさんは、モバイル用だから、ちょっと小さいのを使っているじゃない。
【きだて】そう、A5からA4になるやつ。
【高畑】家で、特に子どもが使う場合は、もうちょっと大きい方がいい。
【きだて】それは大きい方がいいです。
【高畑】小さいと、勢い余って机を切っちゃうから。
【きだて】子どものカッターの使い方は非常にフリーダムなので。とんでもないところまで切っていくからね。腹切るぞみたいな。
【他故】やるやる。だから、うちもA3ですわ。最低でもA3。
【きだて】本当は、学習机に合わせてA2ぐらいにしてもいいと思うけどね。俺も、家の作業机は全面カッターマットのにしています。
【高畑】うちは、こたつの天面がカッターマットにぴったりの大きさ。
【きだて】ああ、いいね。こたつ机をひっくり返すと、雀卓じゃなくてカッターマットになっているってどうかね?
【他故】いいね(笑)。
【高畑】うちは固定してないけど、割とそんな感じ。
【きだて】サイズが合うんだ。
――リビング学習だ(笑)。
【高畑】リビング工作ね。
【きだて】本当はね、座卓で工作はあんまりおすすめしないんだけどね。姿勢が悪くなるから。イスに座ってやるのが本当はいいと思っているのでね。俺的には推奨しないけど、ないよりはましだから。
【高畑】とにかく、カッターを使うときにマットを敷きましょうということだね。
【きだて】これは鉄板中の鉄板です。
【高畑】まあ、ゴム板だけどね。
【きだて】くそっ、オチにしようとしてたことを先に言われてすごいムカついた。
【高畑】え、えっ~。
【きだて】それで何度も鉄板って言ってたのに(怒)。
【他故】あ~あ(爆笑)。
【きだて】台無しだよ!
【高畑】あ~、怒られた。思い付いたことをすぐに言ってしまうから(笑)。
――今日は工作して怒られるし。
【高畑】何かね、きだてさんに怒られてばかりだ。すみません。
【きだて】しかも、ペットボトルにダンボールの持ち手付けやがった。何の役にも立たないものを適当に作りやがって(笑)。
――何か、ショボンとしちゃった(笑)。
【高畑】すみません…。
――あれですね、カッターマットの代わりに新聞紙敷いている人とかいますでしょ。
【高畑】あれは危ない、やめよう!
【きだて】新聞なんか何枚でも切れ込んじゃうし、特にこの特選黒刃とか付いていたら、新聞なんてスカーッと10枚くらい余裕で切れちゃうしね。
【他故】大体、新聞って滑るしね。
【きだて】紙同士でずれるしね。
【高畑】雑誌もよくないしね。
【きだて】ジャンプやマガジンの表4がザクザクに切れているのをよく見ましたけどね。
【他故】あれもダメだよ。
【高畑】安全性の問題もあるけど、刃が痛むというのもあるからね。まあ、マットを使うのがいいよね。
【きだて】というわけで、工作をするときは、ちゃんと道具を揃えようねということで。でも、子どもたちに外工作の話をしてもしょうがないよね。
【他故】ヒントにはなるじゃない。
【高畑】刃を折るポキだって、家に置いてあるかといえばほとんどの人は置いてない。
【きだて】まあね。
【高畑】刃折り器を別に置いておいても、いざ使おうとするときに見つからなかったりするわけだから、やっぱり本体にくっついているのが一番いいよ。
【きだて】そうだね。そういうことで、これが今一番お気に入りのシステムです。ただね、この刃折り器は30°の鋭角刃は入らないんだ。
【高畑】あ、そうなの?
【きだて】幅が合わないの。
【他故】そう、ノーマル刃用なんだよ。
【きだて】なので、58°刃じゃないと使えませんので、そこだけ一つ。
【他故】後々、そういうところでバリエーションが増えてくれると嬉しいんだけどね。
プロフィール
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。東京・京橋の文具店・モリイチの文具コラムサイト「森市文具概論」の編集長も務める。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
【森市文具概論】http://shop.moriichi.net/blog/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。「森市文具概論」で「ブンボーグ・メモリーズ’80s」を連載中。
たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/
*このほか、ブング・ジャム名義による著書に『筆箱採集帳 増補・新装版』(廣済堂出版)があるほか、古川耕さんとの共著『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)も2018年3月2日に発売。
弊社よりKindle版電子書籍『ブング・ジャムの文具放談』シリーズを好評発売中。最新刊の『ブング・ジャムの文具放談5』も発売された。
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