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「パーカー」の初代ボールペン「ジョッター」が60余年も愛され続ける理由とは③

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千葉 勇

3カ月連載/第3回

6月10日から30日まで銀座のK. Itoya 1階で「ジョッター」のフェアが開催されている。このフェアでは、「ジョッター」の新しいビジュアルである「ユニオンジャック」が店頭で初披露されるということで、文具王・高畑正幸編集長は王冠と自前の「ジョッター」を持参して初日の朝からフェアを訪れた。売り場では伊東屋の吉田聡マネージャーと「ジョッター」について対談。そのあと「ジョッター」のセールスマンと化した高畑編集長は、一般のお客様に接客し、「ジョッター」の特長や魅力について熱く語った。


新ビジュアルを銀座のK.Itoyaで初披露


新ビジュアルは、イギリスの国旗であるユニオンジャックを「ジョッター」のブルーとレッド、そして特長でもあるノック部分で美しく表現したもの。また、「パーカー」の矢羽のロゴとともに「JOTTER LONDON」という文字を入れ、イギリスのブランドであることを強く打ち出している。この新ビジュアルを店頭で披露するのはK.Itoyaのフェアが初めてだが、今後各地の売り場でも見ることができそうだ。

新什器.jpg

K.Itoyaのフェアは、1階の入り口を入ってすぐの場所で行われていることもあり、次々と入店してくるお客様の目に留まることはもちろん、多くのお客様が足を止めて眺めていた。また、試し書きをするお客様の姿も多く見られた。高畑編集長は、最初に来店した「パーカー」をよく知らないという若い男性客3人に対しては、「パーカー」ブランドや「ジョッター」について詳しく解説。初めはあまり興味がないように見えた男性客も、熱心な説明にだんだんと興味が湧いてきたようで、真剣なまなざしで商品を手に取ったり、見つめたりしていた。


新文具王と男性客3人.jpg若い男性客3人に解説する高畑編集長


次に、昔から「パーカー」を使っているという倉敷から訪れた女性教師に応対。そのあと来店したカップルは、高畑編集長が胸ポケットに差していた「ジョッター」プレミアムラインの「ブラックGT」が気に入ったようで早速買い求めていた。

新文具王とカップル.jpg高畑編集長が胸ポケットに差していた「ジョッター」に興味津々のカップル


なお、今回のフェアでは特典を用意しており、期間中に「ジョッター」を購入した先着100名様に、「パーカー オリジナル メッセージカード」をプレゼントしている。さらに、特製「ジョッター」コースターを無料で配布している。これも数に限りがあるので、手に入れたい方は急いだほうがいいだろう。

カード.jpg「ジョッター」を購入した先着100名様にプレゼントしている「パーカー オリジナル メッセージカード」

伊東屋・吉田マネージャーと文具王・高畑編集長が対談

高畑編集長(左)と吉田マネージャー(右)

──1954年に「パーカー」の初代ボールペンとして発売された「ジョッター」は昨年、ブランドリニューアルを行い、「パーカー」の象徴である「矢羽クリップ」のデザイン、ボディの素材やフィニッシュなどをアップグレードし、プレミアムライン4色とコアライン7色に刷新。今回ユニオンジャックをモチーフにしたビジュアルを採用し、伊東屋のフェアで初めて公開することになりましたが、このユニオンジャックの新しいビジュアルをご覧になって、どういう印象を受けますか。

【高畑】「パーカー」が外国のブランドということは知られていますが、イギリスのブランドというイメージは薄いかもしれないですね。というより、海外のブランドがどこの国かまで意識している人はそれほど多くないと思うので、ユニオンジャックを出すことでイギリスのブランドということがわかりやすいですね。

【吉田】そうですね。このビジュアルはイギリスのブランドということを全面的に打ち出せているなと思います。お客様の中では「パーカー」=イギリスというようなイメージがあまりなくて、アメリカ製なの?と思ってらっしゃる方も多いようです。今回、伊東屋で初めてこのユニオンジャックの新しいビジュアルをお披露目できたことは本当にうれしく思います。

【高畑】「パーカー」は、知っている人は知っているイギリスのブランドなので、イギリスの映画にも登場しています。有名なところだと、007のジェームズ・ボンドが持っている「ジョッター」が小型爆弾になっていて、3回ノックすると爆発するという設定になっています。

──007はイギリスを代表する映画です。その映画にイギリスを代表するペンとして「ジョッター」が登場したわけですね。最初に発売されたのは1954年だそうですが、これほどのロングセラーを続けている理由は何だと思いますか。

【高畑】「ジョッター」は、「パーカー」が最初に作ったボールペンであるにも関わらず、いまだに現役。かつ「パーカー」のブランドイメージの要素をほぼ持っているのが良さだと思います。海外製の筆記具ですが、あまり難しく考えなくても使えますし、高級品ではなく普段使いできるカジュアルな雰囲気がいいところですね。それが60何年も続いている。僕より20歳以上も先輩。60年以上経って素材やインクが改良されているとはいえ、ほぼ設計が変わっていないということを考えると、当時いかに先進的だったかがわかります。

【吉田】デザインが完成されていますよね。これぞペンというような。

【高畑】ちょっといいペンのアイコンにもなっています。「矢羽クリップ」の形を見ただけで「パーカー」のペンだとわかります。ヨーロッパの自動車がエンブレムでどこのブランドがわかるように。今あるほかのペンと比べると若干細くて短いんですが、逆に携帯性が高いといえますし、胸に差したときに「矢羽クリップ」がきれいに見えます。そして、ノックを押したときの「カチッ」という音でやる気のスイッチが入る感じがします。

【吉田】そうですね。スイッチが入る感じというのはよくわかります。

【高畑】ノックの深さは初代から変わっていません。これはリフィール側に溝が切ってあるのでこの深さが必要なんですが、これが「パーカー」らしさにつながっていて、存在感があります。ケネディ大統領がサインする際に「ジョッター」を使ったように、サインするときに、やる気スイッチを入れるのにもこのノック音はいいと思います。

──このノック音がたまらないという方もいるそうです。

【高畑】カチッというノック音の硬い感じが独特です。ノックするとリフィールが1/4回転します。今では多くのノック式ボールペンに回転子が採用されていますが、最初にこの機構を採用した点が素晴らしい。当時はペン先のボールの持ちがそれほどよくなかったため、回転させることによって長持ちさせるためと、できるだけシンプルな機構にするために、中に回転子を採用したのだと思います。当時としては新しい技術で、できるだけ片減りしない工夫はインクタンクの大きさとも関係しています。ボディはかなり小さいのに、インクがたっぷり入っていて、当時は他社製品の5倍書けると言っていました。リニューアルして、ボディの素材が以前の樹脂製からステンレススチールに変わってかなり丈夫になったこと、そして塗装がいいですね。品のいい感じ。「パーカー」は胸に差すとどの種類も見た目はあまり変わらないんですが、出したときにちょっと色が見える感じがかわいいですね。

──どのような方に適したペンだと思いますか、またギフトとして贈るとしたらどのような方が適していますか。

【吉田】ノック式ということで言うと、私たちのような立ち仕事には本当に最適です。外回りの営業の方なら、スーツの胸ポケットに入れるとさりげなく「パーカー」を使っていることがアピールできます。若い方からサインをされるような方まで、幅広く使っていただけると思います。

【高畑】コアラインなら色が7色から選べるので、女性にはレッドなんていいんじゃないでしょうか。

【吉田】これから社会人になる方に、ちょっといいペンの入門として贈られるのなら、この「ジョッター」のシリーズはおすすめだと思います。

【高畑】いま書きやすいボールペンは日本製を含めてたくさん選択肢はあります。ですが、「ジョッター」はコンパクトなので、ポケットに差して持ち運ぶ、手帳に差して持ち運ぶのに便利で、インク容量が多いのでインク切れが起きにくいという安心感があります。仕事でこれから営業をやる方に贈るのに適していると思います。また、学生さんが持っていても嫌みがないんですよ。おしゃれなんだけど、相応の価格帯なので、大学生くらいになって、ちょっと人目に触れるときに持っていくのにいいんじゃないでしょうか。

【吉田】大学生が就活の際に持っていくと、もしかしたら面接官の目に留まるかもしれませんね。

【高畑】安っぽいのは嫌だし、高すぎるのは嫌味。そんな中で、「ジョッター」は落ち着いた雰囲気もあって、私は持ち物をちゃんと選んでいますよ、ということをさりげなくアピールできるペンだと思います。個性を出しつつもあんまり出しすぎない、目立ちすぎない。

【吉田】絶妙なバランスですね。

──お父さんのプレゼントにはどうですか?

【高畑】贈り物として2000円という価格は贈りやすいですね。もしお父さんがあんまり文房具にこだわっていないなら、「お父さん、このペンを使ってかっこよくなって」と言ってあげるのもいいと思います。カジュアルなファッションにもスーツにも合う万能な感じがします。

【吉田】プレゼントということで言えば、3000円以内で探するとなると、なかなかいいものが買えないんですが、「ジョッター」ならこの金額で手に入る最高のボールペンとして、素敵なプレゼントになるのではないかと思います。

【高畑】相手をあんまり選ばないものがプレゼントには適していると思います。例えばアクセサリーなどは特別な意味を持ってしまうこともあるので、人によってはもらっても困るでしょう。その点、ボールペンは実用品なので、アクセサリーのようなものとは違い、もらうと嬉しい。しかも「ジョッター」はデザイン、性能、価格のバランスが取れているので、迷ったらとりあえずコレというくらいお勧めできます。

【吉田】贈った相手が実際に使っている姿を見るのもうれしいですよね。


http://www.parkerpen.com/ja-JP/jotter

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