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【連載】車椅子ライターから見た 弱い力でも使いやすい文具たち #9「片手で使える両面テープ」

波子

[毎月25日更新]

前回「うまく引ける修正テープ」をご紹介したときにも書きましたが、私はそもそも、今のように手の力が弱くなる前から不器用でした。
修正テープを引くのも、思った通りにセロハンテープを貼るのも、きれいにシールをめくるのも、不器用な私にとってはそれなりの難度があります。

「めくる」動作を必要とする文具のひとつが、両面テープ。
粘着力が高く、厚紙や、紙以外の素材にも使える便利な両面テープも、不器用な私には使うのに少し身構える文具でした。
今の私にとっては、両面テープをあの付属のカッターでカットするのもそれなりの難度。そして、指先がちょっと震えてしまうと、剥離紙がなかなかめくれません。

今回は、そんな私が便利だと感じた、片手で使える両面テープをご紹介します。

コクヨ「ラクハリ」



コクヨから2013年に発売された「ラクハリ」は、テープのりのように使えるローラー式の両面テープ。
テープに付いている剥離紙は本体の中で巻き取られ、めくられた状態で貼り付けられるので、自分でめくる動作が不要なのです。
めくる手間から解放されるだけでなく、いちいちゴミを捨てる手間もいりません。すばらしい。
そして、ヘッドを保護するキャップがスライド式なのもすばらしい。このお陰で、手に取ってからテープを引くところまで、片手で扱えるのです。
私が購入したのはつい最近なのですが、もっと早く買っておけばよかったと思いました。

20181125namiko2.jpg


ふつうのテープのりと違うのは、両面テープならではの粘着力の強さ。
私が購入した「強力貼る」タイプは、紙や厚紙、写真、プラスチック板、ガラス板、金属板などにも使用できます。
テープにはうっすらと切れ目が入っているので、貼り終えたいところで本体を持ち上げるだけでテープが切れます。ただし、粘着力が強いので、薄い紙に使うと紙の方が持ち上げられてしまいます。頼もしい。紙が薄い場合はしっかり押さえましょう。
それだけの粘着力ですから、使い始めはコツを掴むのに少し時間がいるかもしれません。


20181125namiko3.jpgテープ表面

本体の形は、下部の絶妙な位置にへこみがあって、人差し指の力が弱めな私でも縦に引くのが苦になりませんでした。へこんだ部分に薬指と小指が引っ掛けられるので、うまい具合に安定します。
縦に使うならこれで良いのですが、いま横引きにベストな持ち方を模索しています。テープのりや修正テープも横引きするのが使いやすい私ですが、縦引きにとても具合の良いこのへこみが、横に構えると私の手にフィットしないのです。
とはいえ、とても便利なので、うまく扱える持ち方を見つけたいと思っています。

20181125namiko6.jpg本体の下部にへこみがあり、縦引きの際に安定感が得られる


20181125namiko4.jpg筆者の縦引きの持ち方(左)、横引きの持ち方は模索中(右)


ちなみに、ホームページで公開されている使用例の動画では、封筒に封をするのに横引きされていましたが、持ち方は縦引きのようなかたちに見えました。私には肘の向きが難しかったので、試行錯誤しています。。
https://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/rakuhari/




他に、後から剥がしたいものに便利な「しっかり貼れてキレイにはがせる」タイプも。
いずれもつめ替え用テープが販売されています。


以前ご紹介した片手で貼れるテープ「ハリマウス」と同様に、この両面テープ「ラクハリ」も、もっと広まって欲しいです。

プロフィール

波子
1974年生まれ。脊柱側弯症、先天性ミオパチーのため、2006年に杖歩行となり、2012年から車椅子、2014年12月から簡易型電動車椅子を使用。便利な道具や文具が好き。
奈良県奈良市で生まれ育ち、大阪・東京での暮らしを経て現在奈良市在住。
産経新聞奈良版および産経WESTにて「車いすでみるなら」連載中。
ブログ「車椅子、ときどき杖。」 http://nam-kid.hatenablog.com/

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