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【ぶんぐるめ】有隣堂 ららぽーと湘南平塚店のスペシャルなサンドウィッチ

北澤孝之

文房具にまつわる食べ物を紹介する、「文具のとびら」ならではのグルメ企画「ぶんぐるめ」。今回は、神奈川県平塚市の「有隣堂 ららぽーと湘南平塚店」のカフェで人気となっているスペシャルなサンドウィッチを、文具のフリーマガジン「Bun2」の北澤編集長が紹介します。

「食」にまつわる深い歴史を持つ有隣堂

横浜・伊勢佐木町に本店を構える有隣堂は、文具も扱う街の老舗の本屋さんというイメージが強いが、実は“食”とも縁が深いようである。

今の本店は、太平洋戦争の空襲で焼けた後に再建された建物だが、戦前の旧店舗時代には2階で現在のカフェレストランに相当する「有隣食堂」を、大正時代から昭和10年頃まで営業していたそうだ。また現在の建物になった戦後にも、1957年(昭和32年)4月から1994年(平成6年)2月まで地下でレストランも営業していたそうで、横浜随一の盛り場だった伊勢佐木町の中にあって、かなり賑わいのあったレストランだったようだ。

しかも、日本で初めてクレープを販売したのが同社なのだと聞いてびっくりした。ウィキペディアをみると、日本で最初のクレープの店は1977年に原宿にできたとなっているが、それよりも3年前、有隣堂が1974年に横浜・馬車道に出店した、ライフスタイル提案型の斬新な店舗「ユウリンファボリ」(現在は閉店)でクレープを供していたというのだ。

食に関しても深い歴史がある有隣堂が現在展開しているのが、「STORY CAFE」の名称で展開しているブックカフェ。都内や神奈川県下の4店舗に併設されているのだが(2018年2月現在)、今回訪れたのは、神奈川県平塚市のららぽーと湘南平塚3階に出店している「有隣堂 ららぽーと湘南平塚店」のカフェ。食事メニューも充実していて、人気メニューとなっているスペシャルなサンドウィッチが食べられるそうなので、今から楽しみである。

カフェを併設している「有隣堂 ららぽーと湘南平塚店」

2.jpg本・文具・雑貨をずらりと展開する有隣堂 ららぽーと湘南平塚店


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こちらは「STORY CAFE」の入口

4.jpgゆったりとしたスペースに80人分の席を設けている

「有隣堂 ららぽーと湘南平塚店」は、本を中心に文具や雑貨を集積した広い売り場を展開しているが、その横で「STORY CAFÉ」を営業している。ここのカフェには、購入前の本を3冊まで持ち込んで読むことができるそうだ。

80人分の席を設けているというカフェもかなりのスペースで、「小さなお子さんを連れたいわゆるニューファミリーのご来店が多いので、ベビーカーでも通りやすいように通路を広く取っています」と、今回カフェを案内してくれた同社社長室の志村圭一郎さんは説明してくれた。

メニューは、小田急百貨店新宿店に出店している「STORY STORY」のカフェで人気のナポリタン、ハヤシライス、オムライスも用意されているが、ここのオリジナルメニューとして人気なのが、世界の文豪をイメージしてつくったというサンドウィッチ。パンや中の具材は湘南をはじめとする神奈川県内のものを中心に使用しているという。

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サンドウィッチは全部で9種類。全て世界の文豪をイメージしたものだ。


*カフェのメニューの詳細はこちらをご参照下さい。

人気No.1の「ベジチキンサンド」を実食!

サンドウィッチは全部で9種類あったが、人気No.1だという「ベジチキンサンド」(税込1,080円)を注文した。こちらのサンドウィッチは、マーガレット・ミッチェルをイメージして作られたもので、彼女の代表作『風と共に去りぬ』のヒロイン、スカーレット・オハラをイメージしたのだとか。

サンドウィッチというと、「軽食」のイメージを持たれると思うが、「非常にボリューミーなサンドウィッチですよ」と志村さんは言う。その言葉通り、やがて出されたサンドウィッチは、パンの間にグリルチキンや新鮮な野菜がこれでもかと積み重ねられており、かなりボリューム感がある。

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「ベジチキンサンド」と一緒にホットコーヒーを注文。プラス200円(休日は300円)でドリンクをセットにできる。

あらかじめカットされた状態でお皿に載っていたが、その断面を見ると色とりどりの野菜でとてもカラフル。インスタ映えしそうな華やかさで、「なるほど、これは確かにスカーレット・オハラだ」と思った。映画版でスカーレットを演じた、ヴィヴィアン・リーの劇中の姿が目に浮かぶようだ。それにしても、この分厚いサンドウィッチをどうやって食べればいいのか。何だかこのじゃじゃ馬な感じもスカーレットみたいだぞと考えていたら、「ナイフとフォークでお召し上がり下さい」という。

理想としては、サンドウィッチの状態のままサクッと切って食べるのがいいのだろうが、それは至難の業なので、思い切ってかたちが崩れるのも構わず遠慮なくナイフを入れていく。次第に気持ちに余裕がでてきたので、味わいながらゆっくりと食べた。チキンもさることながら、レタス、パプリカ、キュウリなどの様々な野菜がとてもおいしい。中に刻んだピクルスが入っていて、それもアクセントになっている。

7.jpgナイフとフォークを使って黙々と食べる

最初は、ボリューミーなビジュアルに圧倒されたが、一緒に添えられていたオニオンリング(フライドポテトも選べる)も全て完食してしまった。非常に満足感があるけど、野菜たっぷりのヘルシーな料理なので、胸焼けのような苦しさはない。女性にも人気のようだが、それも納得だ。

文具・雑貨売場は春のシーズンに向けた商品を展開中!!

さて、満腹になったところで、同店の売り場ものぞいてみることにしよう。

前面にあるイベントスペースでは、ブックピローを大きく展開していた。「“春眠暁を覚えず”ではないですが、読書をしながらうたた寝ができる枕を扱っています。暖かな春の日差しの中で、ゆったりと読書されてはいかがでしょう」と、文具担当の引田幸子さん。

また、卒業や移動の多いシーズンということもあり色紙もずらりと並べているが、「色紙も時短の時代になって、シールタイプ(シールに各自がコメントを書いて、それを後で色紙に貼るタイプ)が人気です」という。新入学に必要な文具ももちろん用意しているが、「入学祝いのお返しになる、タオルなどのちょっとしたギフトも用意しています」と引田さん。

8.jpg前面にブックピローを集積、左側の壁面には色紙もずらり

9.jpg文具売場では高級筆記具の品揃えも充実させており、春のギフトシーズンに最適な筆記具も多数用意。平塚市にはパイロットの平塚事業所もあるからか、万年筆の需要も多いそうだ。ちなみに、弊社発行の「Bun2」もここで配布している。

10.jpg「当店で今推している商品です」(引田さん)という九ポ堂の商品。昨年末の「文具女子博」でも好評だった一筆箋やマスキングテープなどの紙アイテムを揃えており、若い女性に人気だとか。

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