【連載】『小粋な手紙箱』 #09 贈り物に一言添える
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。
手紙で気持ちを伝えよう!
今年も最後の月になりました。
寒い日が続いておりますが、みなさん、いかがお過ごしですか?
年末年始はなにかと贈り物をする機会が多い時期ですよね。
お歳暮、クリスマス、お正月・・・特に理由は無くても、お世話になっている人や久しぶりに会う人にプレゼントを渡したり、送ることも多いと思います。
その時に、ただ物を贈るだけではなく、一言添えるという一手間を心がけると受け取る人の印象も違ってきます。手渡しする時には実際に口に出して言うかもしれませんが、さらにメッセージカードがついていると嬉しいものです。
品物と手紙を別々に送る場合は通常の手紙と同じようにハガキや便箋、グリーティングカードなどを使いますが、贈り物に添えて渡す場合は、便箋よりも、季節を表すモチーフのついた小さなメッセージカードや、和紙の手触りがほっこりするそえぶみ箋などがおすすめです。
メッセージはそれこそ本当に一言、挨拶するように書き添えます。
「いつもありがとう」
「日頃の感謝を込めて」
「良いお年をお迎えください」
「素敵なクリスマスを過ごしてね」
「ほんの気持ちです」
贈る商品について、どうしてそれを選んだのか、一言書くのも良いですね。
「最近お気に入りのワインを見つけたので贈ります」
「乾燥する季節、私が愛用しているハンドクリームを贈るのでぜひ使ってみてね。」
「巷で話題になっているお菓子です。ぜひ食べてみてください。ただし食べ過ぎ注意!」
「いいもの見つけたのでお裾分けします」
「私のおすすめです。よかったら使ってみてね。」
ご自身のセンスで、言葉を自由に組み合わせて、さりげなく贈り物をアピールしつつ相手に喜んでもらいたい心を伝えましょう。
手紙トピック
この連載の第一回目にご紹介した小川糸さんの小説「ツバキ文具店」。
その続編「キラキラ共和国」が今年の10月に出版されました。
鎌倉の文房具店で代筆屋をしているポッポちゃんの活躍がまた楽しめるとは嬉しい限り。前作同様ポッポちゃんが書いたお手紙は、実物をビジュアルで見られるようになっています。
お正月に読む一冊に加えてみてはいかがでしょうか?
「キラキラ共和国」(幻冬舎、税抜1,400円)
今月のマキシマムカード
Merry Christmas!
お知らせ
★ 手紙の書き方の基本について通信講座があります。
忙しい人でも自分のペースで学べます。
楽しく学んで手紙上手になりましょう!
★ 体験講座も有ります!
プロフィール
田丸有子 (たまるゆうこ)
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント
子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。でも手紙の何がそこまで自分を魅了するのか、深く考えたことはありませんでした。講座を受けて一番良かったことは、手紙が私の憧れを実現する手段であると気付いたことです。自分を表現することで人に喜んでもらいたい。叶えるために出来ることは何かずっと探してきました。その表現方法こそ私にとっての手紙であり、魅かれる理由なのだと気付いた瞬間、「やっと見つけた!」そんな気持ちになりました。
また、郵趣のコミュニティに参加したことで、手紙にも色々な楽しみ方が有ることを知りました。私が今夢中になっているのは、葉書と切手、消印をコーディネートするマキシマムカード。いかにセンス良く仕上げて個性を出すか、考えるだけでワクワクします。
奥深い手紙文化を通して自分の世界が広がっていく面白さを沢山の人たちと共有し、心を豊かにしていきたいです。
ブログ「Cordially yours」
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