【連載】『小粋な手紙箱』 #05 手書きする
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタントの田丸有子さんは、子どもの頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの手紙好き。コンサルタントとして手紙文化を広めるために活動している田丸さんに、手紙の書き方のコツや手紙に関するトピックなどを毎月紹介してもらいます。
手紙で気持ちを伝えよう!
手紙の基本の5つのステップは…
- 紙を選ぶ
- 筆記具を選ぶ
- 文章を考える
- 手書きする
- 切手を貼る。
今回は4つ目の「手書きする」についてお話しします。
美しい文字は書けるに越したことはありませんが、一朝一夕で書けるようになるものではありませんよね。手書きする上で重要なことは、“相手が読みやすい文字”であること。そのことを意識しつつ丁寧に書くだけでもかなりイメージが変わるはずです。
その上でさらに印象良く見せるコツがあります。
1.大きな文字で書く。
2.漢字は大きめ、ひらがなはやや小さめで書く。
3.青で書く。
とにかく堂々と書くことです。いきなり大きく書くのは難しいと感じたら太字のペンを使ってみましょう。自然と大きな文字になりますよ。
“漢字は大きめ、ひらがなはやや小さめ“で書くと、視覚的にメリハリが出るので読みやすく、見映えもよくなります。
色は「青」がオススメ。明るく爽やかで元気の良い印象になります。青と言っても種類が色々ありますから、気のおけない友人宛の手紙なら明るいブルー、目上の方に宛てた手紙ならブルーブラックと、手紙の内容や送る相手との関係性によって色を変えてみるのも良いですね。
手書きの文字はその人にしか書けないもの。他人がどんなにうまく真似てみても全く同じように書くことはできません。命と同じで唯一無二の個性なのです。だからこそ気持ちが伝わるのです。文字の上手い下手にとらわれることなく、堂々とした気持ちで文章を綴ってみましょう。
次回はステップ5「切手を貼る」についてお話しします。手紙トピック
三島由紀夫の「レター教室」という本をご存知ですか?
私は大学生の時に一度読んでいるのですが、それまで三島由紀夫に抱いていたイメージが一変しました。タイトル通り(かなり風変わりな)手紙の手本帳とでもいうべき内容になっています。再読して、人の心を揺さぶる手紙を書くための核心部分に触れた時、人には読むべき時に必要な本が現れるものだと思いました。
ワクワクするような面白い手紙を読んでみたい方、書いてみたい方におすすめの一冊です。今月のマキシマムカード
お知らせ
手紙の書き方の基本について通信講座があります。
忙しい人でも自分のペースで学べます。
楽しく学んで手紙上手になりましょう!
体験講座も有ります!
プロフィール
田丸有子 (たまるゆうこ)
(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント
子供の頃から「手紙魔」と呼ばれるほどの文通好き。でも手紙の何がそこまで自分を魅了するのか、深く考えたことはありませんでした。講座を受けて一番良かったことは、手紙が私の憧れを実現する手段であると気付いたことです。自分を表現することで人に喜んでもらいたい。叶えるために出来ることは何かずっと探してきました。その表現方法こそ私にとっての手紙であり、魅かれる理由なのだと気付いた瞬間、「やっと見つけた!」そんな気持ちになりました。
また、郵趣のコミュニティに参加したことで、手紙にも色々な楽しみ方が有ることを知りました。私が今夢中になっているのは、葉書と切手、消印をコーディネートするマキシマムカード。いかにセンス良く仕上げて個性を出すか、考えるだけでワクワクします。
奥深い手紙文化を通して自分の世界が広がっていく面白さを沢山の人たちと共有し、心を豊かにしていきたいです。
ブログ「Cordially yours」
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