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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.15前編

消しゴムいろいろ

ジャム.jpg
左からきだてさん、高畑編集長、他故さん

本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。Vol.15前編では、ユニークな商品が話題となっている消しゴムを取り上げました。

懐かしくて新しい鉛筆のような消しゴム

消し1.jpgHiLiNE ペンケシ」(クツワ) 鉛筆と同じ木軸の消しゴムで、鉛筆のように削って使える(日本製)。鉛筆と同様に六角軸なので持ちやすく、細かい部分も消しやすい。ペンケース収納時にも汚れにくいキャップ付き。学校に持って行ける白色の消しゴムを採用している。軸色は全4色をラインアップ。税抜150円。

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――今回のテーマは消しゴムです。では、まず「ペンケシ」から。これは、結構反響大きかったんじゃないですか?

【高畑】鉛筆の芯の代わりに消しゴムが入っているよというものですよね。

【きだて】つまりは、細かく消したいだとか、罫線の中だけ消したいとか、そういう用途に使いたいというものでしょ。

【他故】そうだよね。

【きだて】従来にも、ホルダー消しゴムみたいな細長いゴムで細かく消せるものはまぁあったわけだけど。

【高畑】これ、別に新しくないんだよ。芯の代わりに消しゴムが入っている鉛筆って昔からあるし、きだてさんがよく言っている、19世紀にハイマン・リップマンが作ったのはこれだから。前半分が普通の鉛筆で、後ろ半分が消しゴムでこの状態なんだよ。(こちらも参照)

【きだて】商業化した方のやつね。

【高畑】リップマンが作ったときから、鉛筆の芯の代わりに消しゴムをちょっと太めにして入れるというのは、その頃からあるんだよね。だから、ある意味忘れられていたのが、今になって急に復活したというか。あれがそうじゃない、紙で紙を綴じる針なしステープラーが歴史の中ではしばらく忘れられていたのが、目を付けた人たちによって復活するという。

【きだて】そういえば、ダーマトグラフみたいな紙巻きの消しゴムもあった。

【他故】あ~、あったね。

【高畑】あれは、割と有名な製図メーカーから出てたぐらいだから。鉛筆の芯を消しゴムに置き換えるというのは、技術的には鉛筆を作るのと一緒だし、「鉛筆があったら、消しゴムもあるだろ」みたいな、割とストレートな感じなので。

【他故】鉛筆のかたちをしていることの最大のメリットは、消しゴムってそれなりに立体感があるじゃない。だから、ペンなんかと一緒に持ち歩くときに、消しゴムだけが四角くて持ちにくいし、入れ物に入れにくいから。

【きだて】筆箱の中に、わざわざ消しゴム用の場所を作らなきゃいけないぐらいだからね。

【他故】長い鉛筆を持っていると、その先に消しゴムを入れるとなると、さらに長い筆箱が必要になるから。

【高畑】平たいものなら平たいもので揃っていた方がいいし、細長いものは細長いもので揃っていた方が実は良くって、こういう消しゴムみたいに縦も横も四角いものって、意外と収まりがよくない。

【きだて】消しゴムって、文房具の形としては異物なんだな。

【他故】あれぐらい大きい方が使いやすいから当然なんだけど、異物感はあるよね。

【高畑】消しゴム用のスペースが必要になるよね。そこへ行くと、これは鉛筆と同じように収納ができるから。

【きだて】だから、これを使うと筆箱はかなりダウンサイジングできるんだろうね。

【他故】そうだろうね。スリムに持ち歩けるからね。

【きだて】クツワが作っているということは、主なユーザーは小学生でしょ?

――でも、これ「HiLiNE」でしょ。大人向けのブランドですから。

【きだて】ああ、そうか。

【高畑】どこ狙いなのかな。でも、なんやかんや言っても、実際に使う人は小学生じゃないかなという気がするけど。

――ちょい消し使いみたいな感じですよね。

【他故】だから、学生さんみたいにバリバリ消すみたいな感じじゃないので。

――手帳に使うとか。

【他故】手帳か。

【きだて】実際、使ってみても普通に消えるし、トガっているから細かいところは消しやすいんだろうけど、減るのが鉛筆よりも大分早いので、削るのが面倒というのは確かにあったね。

【他故】これって、削り器付きのキャップがセットになっているやつってなかったんでしたっけ?

【きだて】これにはなかったよ。

――付いていてもよかったですね。まあ、でも短いので。

【高畑】だから、もうちょっと長くてもよかったかもね。露出している部分が少ないので、頻繁に消さなきゃいけないのは、ちょっと面倒かなという気はするね。

――これ、150円するんですよね。普通の鉛筆1本の値段を考えると…。

【高畑】消せる量だけで考えると、150円だったら、小さい消しゴムならば2個買えるので。まあでも、細かいところを消せると考えたら、「モノゼロ」に近い商品ですよね。「モノワン」と「モノゼロ」の間ぐらいでしょ? 多分、太さ的には。

【他故】これは大好きなんですよね私。これぐらいの長さの鉛筆が好きな人なので。補助軸に付けられる長さの鉛筆が好きだというのもあるんですけど。クツワって、「補助軸ツイン」があるんですよね。だから、それを付けると鉛筆と消しゴムの両方を付けられるんですよ。それで、キャップを削り器付きのやつにすると、「パーフェクトペンシル」になるという(笑)。

【きだて】パーフェクトイレイサーだ(笑)。

【高畑】まあ、使い方だよね。

【きだて】消しゴムを使うときって、どちらかというと緊急事態でしょ。できるだけ早く消したいというタイミングで、いちいち削らなきゃいけないかもしれない、というのが実用品として見るとちょっと引っかかる。

――それは、ノック式の消しゴムに比べるとね。

【高畑】小学校だと、シャープペン禁止のところもあるから、そういうところだとノック式の消しゴムもどうなるか分からないよね。

【きだて】あ~、どうなんだろうね?

【他故】そこまでダメなのかな?

【高畑】これは検閲を免れそうじゃん。

【他故】検閲(笑)。

――ノック式の文房具はダメなところがあるんですかね?

【他故】メカだとダメなんですかね。

【高畑】それは、どういう基準で検閲が行われているのか分からないけど。

――まあこれに関しては、先ほど高畑編集長が言ったように、かつてこういうものがあったことを知らない人たちが飛びついたんじゃないですかね。

【高畑】それはあると思うよ。めっちゃ使う人にとっては、普通の消しゴムの方が普通に便利だと思うけど、「こういうのもアリなんだ」というのを認識すると、使ってみたくなる感はあるよね。

【他故】細く消せるタイプの消しゴムって、軸も細かったり薄かったりするので、握りにくいと思う人もいるかもしれない。これだと鉛筆と同じなんだよね。これに慣れているという意味では、「これは細消し専用だよ」と思って買う人がいるかもしれない。

【きだて】それにしたって鉛筆の木軸に入れる理由は無かったわけでしょ。そもそもこれを実用文具だと受け止めるから、便利さとか実用性を考えちゃうんであって。最初から色物文具だと考えれば納得いくんだよ。

【他故】え~!?

【きだて】「わー、鉛筆型の消しゴムだ、おもしろーい」っていう需要向けのイロモノだよ。

【高畑】その要素は否定できないよ。「鉛筆型あったか」って、ちょっと嬉しくなってしまう自分がいるっていうね。それは分かるよ。

【きだて】これに関しては、喜びの大半はそれだと思うんだ。

【高畑】「鉛筆に見えるでしょ。でも、これ消せるんだな」っていう(笑)。

【きだて】そう。

【高畑】それはあるな。

【きだて】教室で見せびらかしてドヤ顔するためのアイテムだと看破したね。正体見たり。

【他故】なるほどね。

――ちょっと見せびらかしたくなりますよね。

【高畑】イロブンの権威としては、そこは見逃さないぞと(笑)。

【きだて】その楽しさは、見逃さずに伝えたいんだけど、イロブンなだけに実用性はどうなのかと(笑)。

【高畑】でも、きだてさんとしては、こういう商品が出てくることに対して肯定はしてるんだよね?

【きだて】それはもちろん、大肯定ですよ。俺も出た瞬間に買ったしね。

――これ、電動式とか手動式の大型削り器は使えないですね。中で消しゴムが詰まっちゃうから。

【他故】小型の手削りのやつしか使っちゃいけない。

【きだて】あのロータリー刃の中で詰まるんだろうね。

――これ、短くなったら補助軸に入れて使うんでしょうね。

【他故】使わざるを得ないでしょうね。元々、この大きさが補助軸用ですから。

【きだて】補助軸マニアの他故さんが活き活きとし、イロブンとして俺が認め(笑)。

【高畑】まあ、歴史的にも古いものがありますから、こういうのが忘れられずに再生産されていくというのは、悪くはないね。色鉛筆セットのケースにも入れられるとか、割と細いからどこにでも入れられるし。そういうスペースがないところに入れるのは、いろんなやり方がありそうだよね。

――じゃあ、ブング・ジャム的にはアリだなという商品ですかね。

【他故】アリですよ。

【高畑】これが一般的に普及するかというと、四角い消しゴムでゴシゴシ消せば、それで済んじゃうからね。

【きだて】だから、文具王が「これいいよ」というのは語弊が残るんだろうけど。

【高畑】というか、実用性で考えたら、きだてさんが言うように、なくても済んじゃうんだけど、面白い商品だしね。正直、「モノゼロ」にしたって、あそこまで細いと用途は限られるから、そうすると普通の消しゴムを持ってて、それプラス「モノゼロ」じゃん。だから、これも普通の消しゴムを持っていて、それプラス「ペンケシ」か、あるいは携帯用途みたいな。

正統派ノック式消しゴムが登場

モノスティック1.jpgモノスティック」(トンボ鉛筆) 筆記感覚で消せて、携帯に便利なノック式消しゴム。先端部の軸径を細めにして消しゴム先端を見やすくしており、ペンポーチの中でかさばらないクリップレスで、ノック部に転がり止めを設けた。ホルダーのカラーはモノカラー(上写真)、ブルー、ピンクの3色。税抜200円。

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――次は、似たようなアイテムで「モノスティック」です。

【高畑】そこへくると、トンボはガチなんだという話なんだよ(笑)。

【きだて】さすがだなという。

【他故】それはそうだよね。

【高畑】ちょうどいいライバルが出てきてしまったわけだよ。

【きだて】ノック式のね。

【高畑】トンボはガチで使うように出した。今まで散々言ってきたけど、立つペンケースなんかだと、細長い消しゴムが持ちやすいんだけど。実はトンボって、「モノワン」が爆発的なヒットとなって「モノゼロ」も出したけど、このタイプの消しゴムはなかったんだよ。

【きだて】「モノワン」みたいな短い繰り出し式だと、立つペンケース的にはNGだから。

【他故】短いやつだからね。

【高畑】あの時に、細くて長いやつ作ったし、太くて短いのも作ったんだけど、何で太くて長いタイプが無かったの(笑)。

【他故】僕らが見たことがあるノック式消しゴムって、これと同じものだから(笑)

【高畑】こっちの方が、他社を含めて色々と出てるじゃん。何で出さなかったんだろう?

【きだて】マトリックスで分けたときに、MONOシリーズは何でここだけ抜けてたんだろう。

【高畑】すでに他社があったからかな。

【きだて】ああ、そうかなぁ。

【他故】あったとしても、MONOでできるじゃん。忌避するところじゃないでしょ。

【高畑】そうだよね。消しゴムといえばMONOという、そのMONOのノック式消しゴムがなかったんだから。これが出て、「そういえばなかったよね」と言わざるを得ない。

――「モノワン」「モノゼロ」のときは、ちょっと違いましたものね。

【高畑】ちょっと違うものを作ったという感じで。「モノワン」「モノゼロ」のときは、そういう発想じゃなかったんだろうね。

【きだて】そうかもね。

【高畑】「モノワン」は小さいけど、ちゃんとした値段。あれ、いくらだっけ?

【他故】150円ぐらいだよ。

【高畑】なのにすごい売れて、みんなビックリしちゃった。だから、ちょっと目先が変わっているから売れてるというふうになっちゃったんだろうね。

【他故】そうだろうね。

【高畑】今でも普通に売られている、国産メーカーのノック式消しゴムってそんなに多くないんだよ。「Ainクリック」だって三角軸だし、丸軸のノック式消しゴムってあんまりないんだよ。

【他故】三菱鉛筆はまだ「E・KNOCK」を作ってるよね。

――店頭で見かけますよ。

【高畑】立つペンケースが流行って「細長い消しゴムが欲しいんです」という割には意外となくて、丸軸だとステッドラーとかになっちゃうんだよね。だから、「あっ、やっとか」という感じはあるんですよ。まあ、立つペンケースが流行って、いろんな細長いものが出始めたの見て作ったと思うけど、金型とかを作るのも時間かかるからね。

【他故】売れないというデータがあったのかもしれないよ。

【高畑】ああ、そうかもしれない。

【きだて】作らないための何らかのネガティブな理由がないと。

【他故】流行っているわけでもないし、「作っても売れないんじゃない」っていうデータがあったんじゃないの。だから、変化球方向に行っていたんだよ。

【きだて】でも、「モノゼロ」なんかはそこそこ売れていたと思うんだよね。

【他故】ただ、「モノゼロ」は細すぎて、日常使いというよりは、あれは完全にレスキューだと僕は思っているのね。だから、筆箱に入れていて普段から持っていく消しゴムとして、もうちょっとちゃんとしたのが欲しいなっていうラインナップが、よくやくここまで来たという感じが。

【高畑】「モノゼロ」って、ノックシステムが、中のチャックが後ろに付いていて、消しゴムの後ろに棒が付いていて田楽みたいに見えるけど、消しゴムの長さの割に高かったけど、これは割と安心して使える量じゃない。普通なんだけど。だから、ようやくという感じだしね。

【きだて】こうやってみると長いよね。

【高畑】ノック式消しゴムとしてはスタンダードだよ。

【他故】これが本来のスタンダードなかたちだと思うんだけど。

【高畑】トンボ最近いいなと思うのは、この何もしないストレートなボディが好きという。

【きだて】あ~、分かる分かる。

【高畑】トンボのシャープペンって、パイプスライドが付いているわけでも、折れない機構が付いているわけでもないけど、あのかたちが好きな人っていると思うんだよ。俺は割と好きなんだけど、後ろから前までほぼ真っ直ぐの円筒で、先端部分だけ尖っててみたいなストレートなボディが多いじゃないですか。

――MONO消しゴムを内蔵している「モノグラフ」ですね。

【高畑】だから、MONOシリーズって、全体的にこういうイメージなのかなっていう気もするけど。特に、この「モノスティック」に関しては、シャープペンみたいにグリップがどうというかたちにするよりは、消しゴムって間違えたときしか使わないんだから、そこはずんどうでいい気がする。

【きだて】結局のところ、このずんどうというか、直線的なかたちの中にこの3色のラインがあったら、使う側としては安心するじゃんというのがあるわけよ。

【他故】そうそう。

【きだて】だから、ここから変なことする必要はないんだよね。

【高畑】消しゴムって、存在としてフラットじゃん。ここで新たに金型を作ったところで、大人のデザインになってきたのがすごいなと思う。それと、口金のストレートな部分が長いので、最後どこまで使えるのか、若干余ったところで終わるかもしれないけど、先端の長さがあるから、使っていてクネクネ感が割とない。ガイドパイプみたいな部分が、割としっかりあるので、ゴシゴシと消す感じは意外と悪くないですよ。

【きだて】消しゴムを出し過ぎると、どうしたってダメだけどね。

【高畑】納め方が上手だから。スティック状の消しゴムを選ぶんだったら、これが無難で、何も考えなくても選べるかなと思う。やっぱり、MONOブランドは強いね。

【きだて】強いよ。

【高畑】この色にしているだけで、もう間違いなく消しゴムだものね。

【きだて】何か、この3色への信頼感というかね。

【高畑】長いこと培ったブランド力も含めて、これはストレートなボディで正解だなと思う。

【きだて】「モノグラフマルチ」だって、3色柄を買っちゃうしね。

――「モノワン」「モノゼロ」って、確か消しゴムの“カド戦争”をしていたときに出てきたものですよね。

【きだて】年代的にいうと、そのぐらいになるのか。

【他故】カド戦争のときだっけ?

【高畑】カド戦争をしているときに、「細かいところ消したいんでしょ」って言って出てきた商品だよ。

【きだて】細かいところというか、行の中を消すという感じなんだけどね。

【高畑】他社の「カドで消せますよ」という消しゴムに対して、「モノワン」は“数文字だけ消せる”と言っていて、「モノゼロ」は“細かな線も消せる”と言っていたでしょ。

【きだて】とにかくピンポイント消しを重点的に謳っていたはずだよね。

【高畑】「普通の消しゴムは、カドが丸まったらこういう細かいところは消せないでしょ」と言っていたからね。カド戦争に対して、トンボなりのノリで土俵に上がるとこうなる。「安易な戦い方はしない」というね。

【きだて】すごい王道というか、戦術にブレが無かった。

【高畑】みんな、手段が目的化してきてたでしょ。唯一、目的を正しくするなら、消しゴムで勝負じゃなくて、ちゃんと軸から作ってこうするんでしょという。だから、唯一冷静だったという感じはあるかな。

【きだて】なにより結果的にカド戦争を生き残ってるのがこのシリーズだけなので、なるほど、と。

【他故】まあ、言ってみればそうだよね。

【高畑】大人な対応だったわけですよ。だけど、カド戦争に対応して出したということは、ノーマルなノック式消しゴムに対応できてなかったわけですよ。そうすると、立つペンケースで盛り上がったときに、「モノゼロは入れやすいけど細すぎる。モノワンは消しやすいけど、長さが足りない」という話になって、結局は薄い板ガムのような消しゴムが一番売れているという状況だったから。

【他故】ああ、「モノスマート」だっけ。

【高畑】だから、「モノスティック」はもうちょっと早く出てもよかったとような感じがする。

【きだて】いや、ほんとなんで出てなかったんだろうね。不思議。

【高畑】でも、満を持して出てきた感じの安心感はある。考えるまでもなく、これ定番品だし、多分5年後にこうやって話をしているときでも、必ず売り場に置いてありそうじゃない。

【他故】これはなくならないだろう。

【きだて結局ね、これが最後に残った「正解したカド」なんだよ。だから、これで終わりなんだ。

【他故】ここから先は新しいものがない?

【きだて】ないんだと思うよ。

【高畑】短いのがよければ「モノワン」があるし、スリムなのがよければ「モノゼロ」があるしで、ノック系はこれで充分かな。

【きだて】これで全て埋まったと思う。

【他故】シャープから出てくるタイプも増えたしね。

【高畑】そう考えると、「MONO帝国」で抜けていた最後のピースが…。

【他故】これでついに全部はまってしまった。

【高畑】次に手を出すとしたら電動くらい?

【きだて】あ、あ~。

【高畑】昔みたいに製図をちゃんと手で引いていた時代だったら必要だったけど、今はそうでもないか。

【他故】出ないんじゃないか。

【高畑】まあ、それにしても、「これがあればいいじゃん」というパワーのあるやつが出てきたよね。これは、デザインも含めて、何年経ってもデザインが古くなりそうにないじゃん。

【きだて】これはあれだね、四角い消しゴムも一時期大型化が流行ったけど、ノックも大型化に行くんじゃないか。

【他故】ええっ、ノックで?

【きだて】そう、「MONO柱」っていうやつ(笑)。

【高畑】それは、お祭りの御柱みたいなやつか。

【きだて】そう、御柱だけどソフトだから安心みたいな(笑)。

【他故】2つ付けて「MONOヌンチャク」とか。

【きだて】あ~、それもいいね。

【高畑】細かいところが消せるメリットがなくなるじゃん。

【きだて】広い面積が消せるんだよ。「ノート1ページが一気に消せる!」というような。

【他故】それ、持ち歩くの大変じゃない?

【きだて】うん、持てないだろうね。そうなると、電動のメリットがまた出てくるんじゃないかな。自走式で(笑)。

【他故】自走式(笑)。付いてくるの?

――これ、メタルのホルダーどうです?

【高畑】あってもいいけど、そこまで要るかな? 大人だったら、メタルのホルダー買っちゃうんだろうだけど。

【きだて】「モノゼロ」はメタルで軸がさらに細くできるメリットがあったけど、これはプラで充分だしなぁ。重さが欲しい人用?

【他故】もし金属軸やるんだったら「ZOOM」でしょ。

【きだて】あ~、はいはい。

【他故】「ZOOM」の中にMONO消しゴムが入っているという。

【高畑】じゃあ、ZOOMのための消しゴムということで、「ZOOM消しゴム」で。

【他故】「ZOOM505」のボディなんだけど、中に入っているのは消しゴムという(笑)。

【きだて】そうなるとさ、「ZOOM」のボディにこの3色が印刷されるんだろ。

【他故】いやいや、しないんだよ。

【高畑】「デザインシリーズ」のノック式消しゴムだよ。

【きだて】いや、だって3色出してくれた方が安心じゃん。

――漆のボディを出したらいいのでは? 1万円くらいで。

【高畑】ああ、漆ね。

【きだて】じゃあ、「MONO柱・漆」だ(笑)。

【高畑】「柱・漆」じゃ床の間じゃん(笑)。

【きだて】消しゴムが地震の揺れを吸収してくれそうで、安心じゃん。

【他故】免震構造で(笑)。

【きだて】根元のゴムで免震ってだけじゃ物足りない人に、ゴム柱。

――経年劣化するでしょ(笑)。

【高畑】「モノスティック」は、消しゴムはんこをやる人だったら印面彫れるよね。

【きだて】できるでしょ。

――それいいですよね。

【高畑】とにかく、これは普通にいいよ。

【きだて】いやもう、マスターピースなんで。

【高畑】全然、欠点が見つからないので。「末永くお元気で」という感じの商品だね。

――これ、売れてますよね?

【他故】売れてますよ。売り切れちゃってるから。

【きだて】売れない理由もないし、買わない理由もない。

【他故】ノック式の消しゴムって、あんまり流行ったという記憶がないけど、他のメーカーのものも売れてくれるといいんですけどね。個人的に、細長い文房具が大好きなので。

ハンドスピナー文具がブームに!?

クツワ1.jpg消しゴムスピナー」(クツワ) 世界中で一大ブームを巻き起こした「ハンドスピナー」のように高速回転する消しゴム。消しゴムとして使ったり、あるいは削ったりして消しゴム部分を改造して、オリジナルの形に変身させることもできる。税抜250円。

――では、最後に「消しゴムスピナー」です。

【きだて】言うことなしの消しゴムのあとに、言うことしかないものを持ってくるのは、流れとしてどうなんだろうね(笑)。

――消しゴムもしばらくはおとなしかったですが、ここへ来て派手目なものが(笑)。

【高畑】ギミックものがたまに出てくると、真面目な話としてはどうかと思うけど、つい浮かれて買ってしまう感はあってさ。きだてさんに語ってほしいのは、きだてさんはここしばらくハンドスピナー文具のジャンルに関しては、世界的な権威じゃないですか。

【きだて】そうですね。

【高畑】ハンドスピナー文具に関しては、わざわざ海外から取り寄せて。

【きだて】ハンドスピナーのついたペンとか、海外にしか商品がなかったんだもの。つまりこれは国内メーカー初のハンドスピナー文具なんですよ。

【高畑】なるほど!

【他故】あ~、そういうことか。

【きだて】そういう意味では、価値はとてもあるものなんだけど。

――日本じゃ他になかったんだ。

【きだて】俺が見た限りでは、今までなかった。

【他故】見たことなかったものな。

【きだて】そもそも日本ではハンドスピナーブーム自体が短命だったから、メーカーも出すタイミング見失ったんじゃないかな。そういう意味ではクツワがわりとのんびりしていたので、今出ました、みたいな(笑)。

【高畑】いや、のんびりしていたかどうかは分からないけど、「行ける」と思って作り始めても、製品にするのって何やかんやで大変なんだよね。

【きだて】そうそうそう。

【他故】そうだよね、時間もかかるしね。

【高畑】これいいのは、中にちゃんとしたベアリングが入っているんだよね(笑)。

【きだて】そうね。ベアリングは結構しっかりしたのが入ってて。安物だとスカスカのプラ玉4つみたいなベアリングだったりするんだけどね。

【高畑】それで、冗談かと思ったら、よく回るじゃん。海外製を含めていろいろ企画があるとしても、割と上手に収めた感じはあるよね。

【きだて】実際に、今ユーチューブで「消しゴムハンドスピナー改造」という動画が出回っているんだ。

【他故】そんなのがあるんだ。

【高畑】これの動画?

【きだて】違う違う。例えば、MONO消しゴムの中をくり抜いて、ベアリングを入れてというハンドメイドのハンドスピナー消しゴムが、一時期ちょっと流行ったのよ。

【高畑】そうなんだ。

――これは、この消しゴムが出る前ですか?

【きだて】もちろん。去年の夏ぐらいにはバーッと出回ってましたよ。

――クツワの人は、その動画を見たのかな。

【きだて】どうだろうねー。

【他故】逆に、「うわ、先に出ちゃった」と思ったんじゃないかな。

――「俺たちが企画してるのに」って。

【きだて】この動画に出てくるやつは、ちゃんと作ってる人のは上手いんだ。MONOのスリーブに穴をあけて、ベアリングを入れたあとにちゃんと貼り直しているから。

【他故】じゃあ、写真で見ると、穴をあけたのが分からないくらいなんだ。

【きだて】そう。普通のモノケシに見えるけど、よく回るという。ちゃんと対角線出してきれいに重心とって作ってるんだよ。

【他故】へぇ~。

【きだて】ただ個人的には、消しゴムはハンドスピナーにしちゃ一番いけない文房具だと思うのよ。

【高畑】そのココロは?

【きだて】だって、消しゴムとして使えば使うほど外縁の重量とか減っていくわけでしょ。回らなくなるだけじゃん。

【高畑】そうだね。

――でも、「消しゴムとして使って改造しよう」って書いてありますよ。

【高畑】消して軽くなっちゃダメなんだよね。

【きだて】そう。消して改造とはいうけど、バランスは崩れるし、回転する力は減るしで、何もいいことはないんだ。

【高畑】まあね。上手に均等に使っていかないと、回りも悪くなるし。一見、この回転で上手く消せそうな雰囲気がするけど、普通に手で握ってゴシゴシ消すというところが、かわいらしいところではあるよね。

【他故】でもさ、昔だったら、こんなに完成度の高いものは出なかったわけじゃん。おもちゃのようなものは出たと思うけど。

【きだて】昔だと、このベアリングはプラスチックのヘナヘナなやつを使っていたと思うんだ。

【高畑】こんなにはクルクル回らなかったんだ。

【きだて】回らなかったと思う。

【高畑】これ偉いなと思うのは、ハンドスピナーなりにちゃんと回るところだよ。

【他故】そうだよね。

【きだて】ただね、ちゃんと記録を出そうと思ったら、消しゴムの水平をきれいに出してからじゃないと、だいぶ引っ掛かりが出ます。

【高畑】いやいや、だからさ…、まあいいです(苦笑)。

【きだて】大事なところじゃん。ハンドスピナーとして存在する上では。きれいに水平だしてからやると、2分強は回ったので、まぁ、そこそこのクラスですわ。

【高畑】ハンドスピナーは、別に回す競技をするわけじゃなくて、考え事をしているときにクルクル回すでしょ。ADHDの人なんかが、自分の考えに集中するために手遊びとして良いという話もあったりするじゃない。そう考えると、文房具がそこにあるというのは、元々考え事をするツールの一つだから、悪くはないのかな。

【きだて】そうだよね。だから、ボールペンのノックを無意識にカチカチ押し続けるのとほぼ同義の存在として、こういうのはもっと色々あっていい。

【高畑】左手で無意識に回せるようになったら、ずっと考えながら、右手にシャープペンを持って、左手にこれを持って回しながら。

【きだて】カチカチ、クルクルと。

――じゃあ、この「モノスティック」でカチカチと。

【高畑】両手で消しゴム持ってどうすんだよ(笑)。

【他故】何も生み出せない(笑)。

【きだて】いいんだよ。このハンドスピナー消しゴムは、使わないやつだから。

【他故】でも、両手が消しゴムだと書けないからさ(笑)。

【きだて】でも、書いて誤字が出ちゃったら消さないといけないからさ。

【他故】その時には、これを使わないんだよ。

【きだて】使っちゃだめだよ。

【高畑】上手に回るように、バランスよく消していきながら、慣性モーメントが小さくなっても回るように腕を上げていく。

【きだて】また別のテクニックだなー。

――これ、消しゴムとしての性能はどうなんでしょうね?

【高畑】普通に消せますね。

【きだて】今どき、こういうものを出して、消せないものはないね。

【他故】消しゴムと名乗っている限りはね。

【高畑】特に学童メーカーだけど、日本のメーカーの律儀なところは、どんなに冗談でもちゃんと消せるというのがさ(笑)。

【きだて】うん、イワコーでも何でもそうだけど、ホント真面目だな。

――「消して改造してみて」というからには、使い心地には自信があるんですね。

【他故】しかも、「PL保険加入済」とかガッチリきてますから。

【きだて】キチンとしてるなぁ。

【他故】さらに、クツワだからベルマークも付いている。

【高畑】そうだよ、ベルマークだよ(笑)。

【他故】素晴らしいね。

【きだて】そんなに真面目にやることか、これが(笑)。

――いやいや、これを学校で集めて学用品なんかと引き換えるわけですから。

【高畑】学校で、「学用品じゃないだろ」と言われたら、「ベルマークも付いているんですよ」と言えるから。

【他故】「学習用品」とわざわざ書いてあるんですから。

【きだて】学習用品だぜ?

【他故】いやいや、消しゴムだからね。

――そうか、これ学校に持って行けますよね。

【他故】これはいいでしょう。

【高畑】消しゴムだからね。

【他故】回すと怒られるけど。

【高畑】きだてさん的にはどうなの?

【きだて】う~ん…。

【高畑】学校に持っていきたい一番のやつじゃないの?

【きだて】学校に持っていったら、いずれ消さざるを得ないじゃん。

【他故】そっちか(笑)。

【高畑】減るから?

【きだて】そう、減るから。そうすると、ハンドスピナーとしての価値がどんどん減っていくのが俺は悲しい。

【高畑】きだてさんって、そこストイックだね。

【きだて】おもちゃとして遊ぶのなら、ベストな状態を維持してやりたいんだよ。

【高畑】でも、学校に持っていったら、それ以前に、この存在を先生に消されるという(笑)。

【きだて】その可能性は高いね(笑)。

――これ、子どもたちは消していると思う。

【高畑】普通にゴシゴシ消してると思うよ。

【他故】うちの子も最初に消しました(笑)。

【高畑】多分、いろんなかたちにしたくなるんだよ。

――そうそう。

【高畑】そこで物理を学ぶんだよ。

【きだて】あ~、はいはい。でも、小学生は慣性モーメントと言われたって分かんないじゃん。

【高畑】だから、それをやり始めて分かるんだよ。消したら回りが悪くなったとか、いろんなことが分かるようになるじゃないですか。

【きだて】でも、何かな…。これに関しては、クツワは男子小学生心を弄び過ぎたんじゃないかな。

【他故】そんなことあるかよ(笑)。

【きだて】この「消して、削って改造」という一文はね、俺は付けるべきじゃなかったと思うよ。

【高畑】何でそこを(笑)。いや、まじめだね。逆に、ここに穴をあけて金属を埋め込むとどうなるかとか。

【きだて】そこにセンター付けるの難しいぞ。

【高畑】「ガチャック」みたいな金属をはめ込むとか。

【他故】あ~、ありえるね。

【きだて】これ、3方向のスピナーじゃん。そうじゃなくて、円盤状の消しゴムだったら、板重りを付けたりとか改造も楽だったなと思って。

【高畑】それだとさ、ハンドスピナーとしては、真円にしちゃうと回っている感じが出ないから。

【他故】見てて面白くないよ。

【きだて】でもさ、手では回っている感触を感じるじゃん。

――何か絵でも描いておけば、回っている感じが出るかも。

【きだて】ゾーエトロープみたいな感じで。

【他故】すごい技術が要るだろ(笑)。

【高畑】これ、円盤にしちゃったら、ハンドスピナー感が全然なくなっちゃうので。

【他故】そういうかたちだからいいというかさ、ハンドスピナーにだけ最適なかたちを求めているわけじゃない。

【きだて】う~ん。

【高畑】でも、これ絶対穴彫るやついそうだよね。

【きだて】そりゃいるだろうね。

――どれが回りやすいとかあるんですか?

【きだて】多分、赤が一番回りやすいと思う。重いので。

【高畑】外側にある程度重さがあったほうがいいんですよ。で、かたちも回しやすいんだよね、この赤が。

【他故】消しゴムとしてもこれが一番お得感ですよ。

【きだて】この青いフックが付いているのは、意外と柔らかいからか何なのか分からないけど、回っているときにブレが出てくる。

【他故】これ何のかたちだろう?

――何で、こんなにいろんなかたちがあるのかな。

【高畑】それは、かたちに違いを出さないとシリーズ感が出ないから。昔、ベーゴマが付いていて射出できる「ベイ・ボール」っていうボールペンを作ったときもさ、おまけに付いているベーゴマの性能差がはっきりしてて。

【きだて】そうだね。あれは角が違ったんだよ。12角形と6角形と。

【高畑】だから、勝ち負けがはっきりしちゃうんだけど、これはしょうがないよね。あとこれは、「コロコロコミック」とかに、消しゴムスピナーを扱うマンガを描いてもらう。

【きだて】「消しゴムスピナー・マワル」みたいなやつ(笑)。

【他故】是非描いてもらおうよ。

【きだて】でも、そういうマンガが出ると、「消して改造して強くなる」みたいな描写を入れたくなるじゃん。

【高畑】そこはミニ四駆と一緒で理論があって、消しゴムの重りのオプションとか出てくるんだよ。

【他故】クツワがオプションを出せばいいんだよ。

【きだて】そうだね。責任をとってそうするべきなんだよ。

【他故】責任(爆笑)。

【きだて】オプションも文房具じゃないといけないから、シャーペン、ボールペン、マーカーになってる消しゴムホルダーみたいなのを付けるとか。

【高畑】そういうのを合体させると、その分だけ重くなって、回り方が変わるとか。または、ベアリングでも、すごい精度の高いゴールドベアリングなんかが別途販売されて、これに替えると今までよりも回転抵抗が減って、すごい回るようになるとか。

【他故】「コロコロ」買うとの読者プレゼントにするとか。

【きだて】あ~、「金のベアリングがもらえる」とか。

【他故】プラス千円払うと、みんなもらえるとか。

【きだて】懐かしい!千円分の切手送るともらえる全プレ(笑)。

【高畑】「シャイニングドラゴン〇〇」といって、ここに龍の顔が3つ付いているみたいな(笑)。

【きだて】そういうやつ。

【高畑】でありながら、ちゃんと学校へ持って行けるかたちにしているところがね。

【きだて】そこはブレてほしくないな。

――これ、売れ過ぎて在庫がないんですよね?

【きだて】全然ないみたいですよ。商談会で相当注文あったみたいだから。

【他故】流通在庫だけなんだね。

――ハンドスピナー自体がもうブーム過ぎているんでしたっけ?

【きだて】日本でのブームは、大体去年の後半で終わりましたから。でも、ハンドスピナーは終わりでも、ハンドスピナー文具ブームはまだ来てもいいんじゃないかなというのは俺の主張なので。消しゴムやボールペンがあるけど、定規だってハンドスピナーになっていいじゃん。三角定規とかさ。二等辺三角形の定規を2枚組み合わせて回すとかさ。「なるほど、中央の穴はベアリングを入れるための穴だったんだ(笑)」っていう(笑)。

【高畑】ガセネタの多い、三角定規の穴のナゾだね。「ここはベアリングを入れるための穴に決まってるんだろうが!」って(笑)。ちょうど中央に穴があって。

【きだて】重心がとれますという。

【高畑】そこか~(笑)。

【きだて】ね、そういうのでもいいじゃん。だから、ハンドスピナー文具ブームはまだ来てないから。ここから。

【他故】ここからね。

【きだて】というわけで、日本のハンドスピナー文具ブームは、この「ハンドスピナー消しゴム」から始まると思うので。

【他故】これで終わりじゃないんだ。

【高畑】まだ始まったばかりだ。

【きだて】クツワさんとしては、もうちょっと頑張っていただきたい。「消しゴムスピナー・マワルの戦いはまだ始まったばかり」だから。…それは最終回のセリフだな(苦笑)。

【他故】「みんな行くぜ」って終わっちゃうやつだよ。

【きだて】とりあえず、商談会で全部はけたということは、お店側は売る気はあるということでしょ。

――それで売れているわけですよね。

【高畑】ハンドスピナーの文房具とはまた別に、学校へ持って行ける変わった文房具としてはアリなんじゃない?

【他故】学童の消しゴムって見逃していたけど、色々と面白いものがあるのは事実なので。そういう中のバリエーションとして、こういうのが出てきたということだよね。

――では、ハンドスピナー文具に期待ということで。

【きだて】そうですね。これまで、いろんなものに期待して裏切られてきたけど(笑)、期待してますよ!

プロフィール

きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。東京・京橋の文具店・モリイチの文具コラムサイト「森市文具概論」の編集長も務める。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
【森市文具概論】http://shop.moriichi.net/blog/

他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。「森市文具概論」で「ブンボーグ・メモリーズ’80s」を連載中。

たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/


*このほか、ブング・ジャム名義による著書に『筆箱採集帳 増補・新装版』(廣済堂出版)があるほか、古川耕さんとの共著『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)も2018年3月2日に発売。

弊社よりKindle版電子書籍『ブング・ジャムの文具放談』シリーズを好評発売中。最新刊の『ブング・ジャムの文具放談5』も発売された。

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