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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.12前編

個人情報を守る! セキュリティグッズが進化

ジャム.jpg

左からきだてさん、高畑編集長、他故さん


本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。Vol.12前編では、個人情報を守るための最新アイテムについて激論を繰り広げました。

個人情報を二重にガードする、「ケシポン」の進化版

1.jpg両面テープケシポン ダブルガード」(プラス) ロングセラーの個人情報保護スタンプ「ケシポン」シリーズの新アイテムとして、二重のガードで情報を守る個人情報保護テープが登場。ケシポン独自の錯視効果のある「文字パターンで隠す【いつもの安心】」に加えて、両面テープ構造を利用した「貼り付いて隠す【ダブルの安心】」。さらに、万が一用紙を開かれても「破れて隠す【万が一の安心】」をこれ1台で実現した。税抜500円、詰め替え用テープは同380円。

【高畑】今回は何ですか?

――今回は、個人情報を保護するセキュリティものです。まずは、「両面テープケシポン ダブルガード」からにしましょう。

【高畑】「ケシポン」はまた色々と出てきているんだよね。

――マイナンバーの施行以来、再び注目されてきていますよね。

【きだて】これは、シヤチハタが出していた「ケスペタ」のテープのり版だよね。

【高畑】「ケスペタ」ってのりのやつか。

【きだて】そう。要は、上から塗って隠して、さらに二つ折りに貼り付けて二重に隠すという。

【高畑】これ、テープのりとかたちが一緒?

【他故】「ノリノハイパー」と一緒だよ。

【きだて】そうだ、「ノリノハイパー」だ。

【高畑】きだてさんや僕が大好きなワンプッシュのフタが付いているという。要は、「ノリノハイパー」ののりの部分にさらに印刷をかけているから、「ノリノハイパー×裏から見えない修正テープ」という複合技みたいなやつだよね。

【きだて】いろいろと複合だな、これ(笑)。

【高畑】そうなんだよ。ボディは「ノリノハイパー」だけど、やり方としては「ケスペタ」だし、なおかつ「裏から見えない修正テープ」の技を使っている。

【他故】「ノリノハイパー」と同じだから、のりの部分が細い短冊状になっているんだよね。

【高畑】切れ目が入っているんだよね。

――本当だ、入ってますね。

【高畑】コクヨの「ラクハリ」と同じ系統の筋切りだよ。

――これで隠して貼っちゃうわけですか?

【高畑】そう。本当は表裏逆なんだけど、透かしてみても分からないという。

【他故】そしてはがしたら、「あら~、破れちゃった」と。

【高畑】という話ですね。

【きだて】透けないかな?

【他故】さらに貼ることを前提にしているからね。

【高畑】よっぽどのことがない限り見えないよ。

【きだて】一応見えるけど、文字の読み取りは難しいね。

【高畑】原文を知らなかったら読めないよ。しかも、これでやると、文字と文字で重なるじゃん。となると、さらに読みにくいから。そういう意味では、ほぼほぼ大丈夫なんじゃない。

【他故】そうだろうね。

【高畑】簡易的な文字隠しは色々とあるけど、「ケシポン」でまだ安心できない人のために、さらに半分に折って隠してくれるという。

【きだて】何だろう、情報セキュリティ変質者というか(笑)。

【高畑】でも、シュレッダーは面倒くさいとか、はさみは嫌だという人のために。

【他故】「個人情報を1秒で隠す」か、いいね~。隠す速度も速いんだよね。

【高畑】「ケシポン」って実は、捺しすぎるとダメなんだよね。一回ペタンってやると丁度いいんだけど、何回もやると黒くなり過ぎちゃって、結局は透けちゃうということになるので。実は、このパターンにすごい技術があるからね。

【きだて】プラスは、昔からこのパターンに自信持ってるよね。

【他故】独自開発の「アルファベットパターン」だって。

【高畑】そう、これには意味があって、「ケシポン」がこのタイプのもので一番最初だったじゃん。で、最初に作っただけあって、ちゃんとよく出来ているんだよね。文字の選び方とか。文字を隠すのには、文字で隠した方が読めなくなるというのは、心理学的にちゃんと効果を狙って作っているので。他のメーカーが作ったときに、単なる柄をのせてきたものよりは、隠蔽効果が高いんだよね。その流れを汲んでいるものなので。

【他故】「ダブルガード」っていう名前もかっこいいよね。

――そうなんですよね。

【他故】カートリッジも「ノリノハイパー」と同じかたちなんだろうね。

【高畑】何かさ~、テープが黒くなっているから、映写機に付いているフィルムみたいだよね(笑)。

【他故】「カラカラカラ」って何かが始まりそうだ(笑)。

【高畑】ちょっと贅沢感があるよね。何か、このテープで消すのがもったいなくないですか。

【きだて】そうか?

【他故】俺は逆だけど。これ一つあったら、消せるし、両面テープとしても使えるからいいなと思うよ。

【高畑】なるほど、そうだ!

【きだて】両面テープとして使うには、ちょっともったいない気もするけど。

【高畑】これ、値段的には普通のテープと比べるとちょっと高いのかな。

――500円ですね。

【きだて】ちょい高かな。

【他故】でも、強力だからね。

【きだて】これ、「ノリノハイパー」と比べるとどうなの?

【他故】変わらないんじゃないの?

【高畑】「ノリノハイパー」と値段が変わらないんだったら、今後「これでいいじゃん」になっちゃうよ。

【他故】貼る分には、ここが黒かろうがどうだろうが関係ないから。貼っちゃうわけだからね。

――超強力に貼るタイプだと、テープ幅10㎜が400円、15㎜が500円。

【きだて】これ15㎜だから、一緒だ。

【高畑】一緒なんだ。それだったら、他故さんが言うみたいに、強力テープのりとして使えばいいんだ。

【他故】強力テープのりとして、出番があるときにこれを使う。

――一石二鳥なんだ。

【高畑】なるほどね。テープのりで貼るときに、向こう側が透けないことで困ることはないので。

【きだて】逆に、透けてこの黒いのが見えちゃう方が、工作するのに嫌だな。

【高畑】薄い紙だったら透けて見えるものね。

【他故】結局、封かんとかで気にならなかったらいいと思うんだよ。茶封筒だったら、おそらく透けないでしょう。

【きだて】まあね。

――テープのりが切れちゃって、手元にこれしかないときは。

【きだて】まあ、応用はできますよ、という感じじゃないの。

【他故】「すごい強いテープのり使いたい」という時に、これを使うのは悪くないですよ。出番は少ないかもしれないけど。

【高畑】今まであるものを、そっくりそのまま使っていて、文字パターンの印刷も入れているのに、前と同じ値段だったならば、そういう使い方はアリだなと思う。

【他故】そうでしょ。

【高畑】本来の目的以外にも使えるのって、面白いよね。

【他故】「ケスペタ」をのりの代わりに使うという発想はなかったけど、これは両面テープとして使えるよ。

【高畑】普通のテープのりと比べると、強力タイプなだけ、ちょとお値段が高いけど。

【他故】頻度の話だしさ。

【きだて】代用の話ばかりで、肝心の情報セキュリティの話があんまり出てなくね?

【高畑】その辺、俺がずぶずぶなのであれですけど(笑)。まあ、面倒くさいのはやっぱ嫌だから、「このぐらいでいいや」というのはすごく分かる。

【他故】うちもハガキが来たときに、「ケスペタ」を塗って、貼って捨てちゃうということを、ずっとやっていたから。

【きだて】身も蓋もないことを言っちゃうと、シュレッダーが一番楽じゃん(笑)。

【他故】シュレッダーがある家庭はそうでしょう。

【高畑】一軒家だといいんだけど、アパートとかの2階以上で電動シュレッダーを床に置いていると、夜に使えなかったりするじゃん。

【きだて】あ~、はいはい。

【高畑】あれね、一度自宅で買ったんだけど、振動が大きかったから、結局手放しちゃったんだよね。

【他故】そういう機材を買う人ばっかりじゃないから、こういうものがあればいいよね。

【高畑】あと、うちに届く郵便は角形2号の封筒が多いので。あれはね、ちょうどいいよ。

――宛名のところがラベルになっているDMとかありません? あれだと、シュレッダーかけたときにのりとか付いちゃったりして。

【きだて】そうだよね。だから、こういうものの方がいいか。

【高畑】あと、ビニールの封筒で、ラベルが貼ってあるやつとかもね。

【他故】やりようがないやつがあるからね。

【高畑】そういうのに、これは割といいよ。スタンプと違って、すぐ乾くしね。まあ、最初から乾いているけど。

【きだて】そうだね。

――ものすごい慎重な人は、「ケシポン」で隠してからシュレッダーにかけるのでは。

【高畑】それ本当?

【きだて】それはいないだろ!

【他故】ちょっと慎重過ぎませんか(笑)。

【きだて】それが杞憂ってやつだよ。

【高畑】早いってだけだったら「ケシポン」でいいけどね。ただ「ケシポン」だと、長いこと使っているとインクが減ってくるんだよ。

【きだて】うっすらしてくるんだよな。

【高畑】うっすらしてくるから心配じゃん。でも、替え時が分からないんだよ。

【他故】そうね。

【高畑】こっちは、替え時がはっきりしているからいいね。

【きだて】それはそうだね。

【高畑】替え時がはっきりしない道具は苦手なので。「今かな? まだかな?」というのがね。

【他故】そういう意味では、「ここまで」って言ってもらった方がいいよね。

【高畑】これはそれが分かりやすいし、買ってから最後の最後まで隠蔽能力が変わらないじゃない。そういう安心感はあるな。

【他故】なるほど、それは分かるな。うちにもゴムローラーのやつがいくつかあるけど、適当に使っているから、「あれ、これインクないじゃん」ていうことがたまにあって(笑)。

【高畑】ホワイトボードマーカーなんかでも、「まだ使うか、それとも今交換するか」というのがあるから。

【きだて】今回のトークでは、文具王が「情報セキュリティがずぶずぶで、決断力が弱く、勿体ながり」というのが露呈してしまっただけのような気がするな(笑)。

【高畑】割とそんな感じなんですよ(笑)。

【他故】逆に、「だから便利です」と言えるんだよ(笑)。

【きだて】「そういう文具王がおすすめです」という(笑)

【高畑】俺は、「能力100%~終わり」というのが分かってくれるのがいいので。だって、セキュリティというのはそれこそ、信用するかどうかの問題じゃん。それが、ゆるやかに薄くなってくというのよりはさ、バシッといってくれるやつの方が気持ちいい。

【きだて】ニッケル電池的にピークは長く終わりはパシッと。マンガンじゃねぇぞと。

【高畑】そうそう。この間すごく悩んで、エネループいっぱい処分したんだもん。

【他故】分かる、分かる。まだ使えそうなんだよね。

【きだて】エネループの捨て時は分かんないな。

【他故】分からないね。

【高畑】そういうのを考えると、これは「いつまでは保証します」というのがはっきりしているので、それはありがたい。

【きだて】それは大事だよ。

――初期の捺すタイプから、随分変わりましたよね。

【高畑】捺すやつは捺すやつで、簡易的なスピード感があるので、あれが好きな人は絶対いるんだよね。あと、ローラー式とかもあって。

【他故】そうだね。

【高畑】ダンボールに直で貼られている宛名ラベルなんかには、ワイドタイプのローラー式がいいんだよ。だから、使い分けができるようになってきているし。

【きだて】ローラー式もハンコのやつも、テプラで打った文字とか弾いちゃうんだよね。

【他故】そうか、熱転写のやつもダメか。

【高畑】表面ツルツルだからね。

【きだて】それもあるし。だから、フィルムになっているやつは、これの方がいいよ。

――これだと貼り付きますからね。

【きだて】確かに、テプラのテープだと、シュレッダーにかけていいのかどうか悩むところだからね。粘着だから。

【高畑】やはり、個人的なものはともかく、会社だとちゃんとシュレッダーかけなきゃとなるし、僕も自宅で仕事しているじゃないですか。そうなると、捨てる前に色々と気になるものはあるからね。それに、今後働き方が変わってきたら、家で仕事しなくちゃいけない人も出てくるかもしれないし。

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手軽に使えるセキュリティグッズ3アイテム

1.jpg「トリック!クリアフォルダ&シート(上写真左)」「コピー判別フォルダ(同右)」(ヒサゴ) 「トリック!クリアフォルダ&クリアシート」は、トリックパターンによって、中に入れた書類の文字が分断されたように見えるので、個人情報等が記載された書類の目隠しに最適。クリアフォルダは3色アソート(各色1枚入り、税抜450円)と各単色10枚パック(同1,300円)をラインアップ。クリアシートは1枚税抜340円。「コピー判別クリアフォルダ」は、コピーしたい書類の原本をクリアフォルダに挟んでコピーすると、「COPY」の文字が入った複製ができる。1枚税抜380円。

――次はヒサゴの商品です。3つあるんですよ。「トリック!クリアフォルダ」と「トリック!クリアシート」、そして「コピー判別フォルダ」。

【高畑】クリアフォルダーの表面に模様が入っていて、中に書類を入れると見えにくいというのは、そんなに新しい発想かというとそうでもないんだけど、この模様がよくできているんだよ。

【他故】これね。

【高畑】パターンの設計が上手なのかな。

【きだて】そうだね。横書きの文字を読めないように、互い違いにして上手く隠しているんだよね。

【高畑】僕はね、この中ではこのシートが好きなんだよ。

【きだて】普通のクリアファイルに、このシートと書類を一緒に挟んじゃう。するとうまいこと書類隠しになってくれる。

【他故】へぇ~、なるほど。

【きだて】これが一番ローコストでいいかなと思う。

【高畑】離席するときに、とりあえずこれを置いているんだよ。机の書類積んでいるところにポンと置くと、これ下見えないでしょ。

(一同)あ~。

【高畑】これ、決済箱の一番上にこれだけ置いておくと、適当に積み重ねている書類が見えないわけですよ。

【他故】お~、見えない、見えない。

【高畑】これが楽でいいっすよ。あと、机の上に広げてあるものでも、これ1枚ポンと載せるだけで意外と見えない。これはなかなか、楽ちんでいいな。

【他故】面白いね。

【高畑】クリアフォルダーにしてしまうと、1つの書類にこのシートが1枚という考え方に対応しなきゃいけないんだけど。

【他故】そうね。持ち歩くんだったら、クリアフォルダーにするけどね。なるほど~。これ、いくらぐらいですかね?

――クリアフォルダーが3枚入りで450円、シートが1枚340円。

【きだて】シートって、そんなにしたっけか?

【他故】意外と高いんだね。でも、面白いな。

【高畑】そうなんだよ。パスワードや文字隠すのにしても、面倒くさくてやらなかった時に限ってバレるというのがあるじゃないですか。

(一同)あ~。

【高畑】だから、手間は減らしたいんだよね。それで考えると、この上に載せるだけというのが、すごくいいなと思う。あと、そのコピーのやつもいいよね。

【他故】はさんでコピーするだけなんだ。

【高畑】人に貸したときに、「これはコピーしたものだよ」というのをはっきりさせるために、この模様が最初から付いていて。

【他故】この「コピー」という文字が見えるんですか?

【きだて】もちろん、うっすらとね。

【高畑】これは、コピーしたものを渡すんだよね。

【きだて】そう、「コピーしたものだよ」とはっきりさせるためのツールなので。コピー防止じゃなくて、コピーしたものを渡すんだよ。

【他故】原本のコピーを渡す意思があって、フォルダーを使ってコピーしたものを渡すんだね。「改ざん等の牽制にもなる」か。なるほどね。それで、原本はクリアフォルダーに入れたまましまっておいていいという。

――コピーするとこんな感じです。

【高畑】結構出ますね。

【きだて】確かに、こういうのをやるためのものってなかったから、面白いよね。

【高畑】こんだけ「コピー、コピー」って入ってたら、流出させづらくなるよね。

【他故】はっきりとコピーだって分かるしね。

【高畑】「トリック!クリアシート」に話を戻すけど、書いてある文字が大きいと、さすがに読めるのね。

【他故】書類の内容は全然分からないけど。

【きだて】大きいタイトル文字は読めて「どういう書類か」ぐらいは分かるようになってるんだよね。

【他故】そうだね。ぱっと見て、何の書類なのかは分かると。

【きだて】ここに描いてある「トリッくん」ていうキャラクターが、ヒサゴらしいなと思うけど(笑)。

――ヒサゴは、かつて「乙女文具(おとぶん)」(*現在はブランド名を「キャラクターグッズ」に変更)でもこういう商品出してなかったですか?

【きだて】やってた、やってた。BL小説の挿絵が見えないようにするシート。

【他故】分かる人には分かるという。

【高畑】あと、ノートの片側が見えないやつ。今書いている方と反対側のページが見えない、商談用のノートみたいなのでやってたから、そういう意味ではその仲間なんだろうな。

【きだて】応用編を先に出していて、基礎編を今頃出したのかという感じなんだけど(笑)。

【他故】でも、デザイン的にかっこいいというか、デザインっぽく見えるところも素敵ですよね。

【きだて】それで、コピー判別という飛び道具も出してきたりという。

【他故】今、クリアフォルダーって、いろんなバリエーションが出てますけど、こういうのは今見直されるべきですよね。

――ヒサゴは、これまでにも宛名ラベルとかハガキ用のシールなんかでセキュリティ用品をいくつも出していますからね。

【高畑】だよね。

【他故】このシート買おう。

【きだて】俺はクライアントや渡す書類によってクリアフォルダーをいろいろ使い分けているので、そうなるとシートタイプがすごく便利だよね。

【他故】うちも、社外秘の書類ばかりなんで、お客さんが来たときにこうパッとね。

――クリアフォルダーは、持ち歩き用ですかね?

【他故】持ち歩きというか、社内でもクリアフォルダーに書類入れて持って行っちゃうんですけど、「やっぱり丸見えは良くないよね」というイメージがあれば、こういうものを使ってもいいかなと思う。

【高畑】このシートを会社で使ってるよ。自宅だと意味ないので。

【他故】誰も見ないからね(笑)。

【高畑】これを書類立てに立てておいて、使うときはそこから抜いて置くだけなので楽。席に座っているときに、のぞき込んでくる人はあまりいないので、離席しているときに置いている。あとこれ、ノートパソコンだと、画面に立てかけておくと見えないよ。

(一同)あ~。

【きだて】それ、いいかもな。

【高畑】プリンターで出力したものを取りにいく間に置いておけばいいと思うよ。

【きだて】楽でいいというのが、一番大きいな。こういう、やらなくても死なないものは、面倒くさいと絶対にやらないんだよ。

【他故】そうだよね(笑)。

【きだて】そういう意味で、セキュリティは面倒くさくない方に寄っていくので。

【高畑】あと、ちょっと牽制されていると、わざわざのぞきには行かないんだよね。

【きだて】そうだよね。ガードしているところへ無理に来るのは、よほどの悪意があるので。

【他故】そういうところに入れておくだけで、全然違うから。

【高畑】こんなの、悪意があるならクリアフォルダごと持っていけば良いんだけど、でもそれはみんなしないんだよね。

【きだて】そうそう。

【高畑】偉い人の机に決済箱が置いてあって、稟議書とかみんなどんどん載せていくのがあるじゃん。ああいうときに、「このシートを一番上に載せとけよ」にしておけばね。いくら社内とはいえ他の部署の人とかも通るし、普通に出張申請だとかが見えてしまうので、シートを上に載せておくといいよ。

【他故】うちもそうだよな。経理に決済箱が置いてあるけど、見る気がなくても、一番上にあるのはつい見ちゃうよね。

【高畑】そうだよね。そのぐらいの使い方が、俺にはいいなと思う。楽でいいです。

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コンパクトでかわいい家庭用電動シュレッダー

シュレッダー1.jpgput(プット)」(ナカバヤシ) シンプルなデザインと場所を取らないコンパクトサイズのパーソナルシュレッダー。細断形状は約5㎜幅のストレートカット、細断対応サイズはA4縦二つ折サイズ1枚または、はがきサイズ1枚。ダストボックスを付属していないので、本体に格納している「背面フック」と「側面ワイヤー」をゴミ箱の縁に直接掛けて使用することで、細断くずをダイレクトに捨てることができる。ホワイト・ブラックの2色で、価格は税抜3,600円。

――最後は、電動シュレッダーの「put」です。

【他故】ナカバヤシのお家芸ともいえる、小さい電動ものが。

――実際に使ってみるとこんな感じです。

【きだて】ああ、意外と静か。

【他故】60dbってピントこなかったけど、静かですね。

【高畑】「最大A4二つ折りまで」か。

【他故】家で使うには充分でしょ。

【高畑】「連続使用時間約3分」って書いてあるけど、これは書類を山ほど入れるというものではないからね。

【他故】ちょっとハガキとかを細断する程度だからね。

【きだて】ご家庭に届いたDMをその場で捨てるみたいな感覚じゃん。

【高畑】そんな感じですよね。

――私は、ナカバヤシの手動式の「クルッキル」を使ってますけど、その電動版みたいな感じですよね。

【きだて】あの細いやつですよね。

【高畑】それこそ、個人情報保護法のときにいろんなものが出たけどさ、このくらいの楽な感じがさ。ゴミ箱をそのまま利用して使うという。専用のシュレッダーを置くほどでもないね、という人が使うやつだね。

【きだて】これ、うちで使っているやつよりいいな。これ、おいくら?

――3,600円ですね。

【きだて】あっ、買おう。

――お買い上げ決定で(笑)。

【高畑】これ、ストレートカットだから、縦書きの書類なんかだと横方向に入れた方がいいということなのね。

【きだて】DMだと、ハガキ縦方向に対して横書きが多いじゃん。だからいいよねという話だし。

【他故】いいですよね、これ。かたちもかわいいし。

【高畑】何か、おとなしくなったのがいいね。かたちが、あんまり主張していない、ただの四角というデザインが、無難でいいな。

【他故】前は、こういうのって、何となく安っぽい雰囲気ってあったような気がするけど、このぐらいだとね。

【きだて】コンパクトシュレッダーって、「iMac」のクリアが騒がれた頃にどーんと出たものだからね。

【高畑】あの頃はそうだったね。

【他故】角がちょっとぬるく丸くなっていて、透明なパーツがあったりして(笑)。

【きだて】そうそう。その頃に出たモデルを引きずってるから、未だにスケルトン感が残ってたりするんだよね。

【他故】プラスチック系の安っぽい感じで。

【高畑】この「put」のデザインは、最近の家電が向かっている方向と同じだよね。

【きだて】角がピシッとしてるやつ。

【高畑】単3乾電池6本で動くけど、これはやっぱり充電池だね。ACアダプターが付いているけど、これでコードが付いたら邪魔じゃん。

【きだて】あ~、それはそうかもな。

【高畑】このコードで充電してくれるわけではないので、やっぱり「エネループ」とかの充電池がいいね。

【他故】充電池で動くかな?

【高畑】動くよ。

【きだて】アルカリ6本だったら、エネループでもいけるんじゃないかな。

【きだて】これ、ゴミ箱ごと加工した方がいいかな。

【高畑】後ろに穴あけてケーブル出すんだ。

【他故】でも、ゴミも捨てないといけないから、上手いことやらないと。

【きだて】ああ、そうだね。切り込み入れればいいんじゃない。

【他故】それにコードを引っかける感じかな。

【高畑】でも、何やかやでシュレッダーにかけるのは分かりやすいよね。

【きだて】クロスカットの方がいいとか何だとか言うけど、シュレッダーにかけられたものを復元しようという人は、もう明確な悪意があるので。クロスカットでも、何だかんだで読むやつはいるんだよ。

【高畑】アイドルの家から出たゴミを一生懸命つなぎ合わせるやつはいるかもしれないけど、うちから出た書類はまずみないよ。

【きだて】個人ユースで使う限り、自分のソーシャルな価値を判断すれば、そこまでされることはないと判断したい(笑)。

【他故】まあ、それでも、住所とか請求書はとりあえず細断しとけばね。

【きだて】気持ちの問題だよ、本当に。「見られたら嫌だ」という自意識がシュレッダーをかけさせるので。それを満足させるのにはこれで充分だし、いざというときもこれで大丈夫だよ。いいと思うよ。これ、買うわ。

【高畑】あと、安いしね。もっと本格的なものもあるけどさ。さっきも言ったけど、昔、電動シュレッダーで、床に置くタイプの中くらいのサイズのやつを買ったんだけど、動くときの振動で床が揺れるんだよね。そうしたら、夜に使うのは下の階の人に迷惑かなと考えたりして。

【きだて】ビリビリビリっていうじゃん。

【高畑】これ、会社だとちょっと足りないから、家で使う用じゃん。レシートなんかだと全然余裕だし。

【他故】昔、家庭用のシュレッダーが流行った頃に手回し式のを買ったけど、手回しだと本当に辛くって(笑)

【きだて】手回しは辛いね。俺も、手回しが辛くなって電動にしたから。

【高畑】これでのりを切ったら、もりそばがかけそばになるよ(笑)。

【きだて】シュレッダーは、どうしても刻みのりから離れられんな(笑)。

【高畑】あのはさみのせいだけど(笑)。

――シュレッダーの細断くずを捨てるのは面倒だから、ゴミ箱に付けられた方がいいですよね。

【高畑】それはそう。あと、紙粉も結構出るので、くずケース外してゴミ箱に捨てるときにも、周りに細かいくずが出ちゃうんだよね。

【きだて】あれ結構くしゃみを誘発するんだよな。

【高畑】だから、ゴミ袋をかけてあるゴミ箱の上に、これをセットするんだよね。

【きだて】それが一番いいよ。

【高畑】昔は、「ハムスターの巣にいいよ」とか言っていたけど、最近は言わなくなったね。

【きだて】今時のハムスターは、もっといいチップの上で寝てるよ。

【他故】あと、最近は新聞をとっている家が少なくなったから、素材になるものが(笑)。

【高畑】だから、前にシュレッダーが流行った時って、個人情報保護法の施行の頃で、iMacが流行ったあとで、世の中のプラスチック製品がカラー透明になっていて、かつ丸っこいデザインが流行っていて、「とっとこハム太郎」でハムスターが流行ってた時期なんだよ。

【他故】2000年代のあたまぐらいの話だよね。「ゴジラ」の併映で「とっとこハム太郎」を上映していた時代だよ(笑)。

【きだて】あ~、そうだ(笑)。

【高畑】個人情報で盛り上がるのは、そのちょっとあとの2005年ぐらい。そこから見ると、随分落ち着いた答えにたどり着いたよね(笑)。あと、素敵な家のイメージも大分変わってきたじゃないですか。最近は、白くて四角いかたちが多くなってきているから。

【きだて】純粋に性能的にもさ、モーターのビビりが本当にないね。値段的に無理だとは思いつつ贅沢を言えば、オートスイッチになってくれると最高だよね。

【高畑】あ~、確かにね。

【きだて】ACアダプターにつなぐと、もうオートスイッチになってくれるとか。できれば、そういう機能が欲しいな。

【高畑】紙を入れると、自動的にカットしてくれるのね。

【きだて】そう、自動で動くやつ。

【他故】逆転スイッチだけ、別に付いているやつね。

【きだて】もう、そうなると、全然面倒くさくないので。

【他故】これが売れれば、第2弾でその機能が上手く入るかもしれない。

【きだて】値段が倍くらいになってくれてもいいから、それが欲しいな。

【高畑】ナカバヤシって、小っちゃい電気関係のものいっぱい出すよね(笑)。まあ、これぐらいのセキュリティグッズがいいよね。

【他故】「ご家庭にも一つどうぞ」ってすぐに言えるから。

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プロフィール

きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。東京・京橋の文具店・モリイチの文具コラムサイト「森市文具概論」の編集長も務める。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
【森市文具概論】http://shop.moriichi.net/blog/

他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。「森市文具概論」で「ブンボーグ・メモリーズ’80s」を連載中。

たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/

*このほか、ブング・ジャム名義による著書に『筆箱採集帳 増補・新装版』(廣済堂出版)があるほか、古川耕さんとの共著『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)も2018年3月2日に発売。

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