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【連載】月刊ブング・ジャム 新春スペシャル その3

ブング・ジャムの2018年文具大予測!?

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左から他故さん、きだてさん、高畑編集長
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は「新春スペシャル」として3日連続で、ブング・ジャムのみなさんに「2018年の文具はこうなる!」という予測を語ってもらいました。

シャープペンシルで無の境地?(他故さん)

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――じゃあ、他故さんお願いします。

【他故】みなさんが、すごい大きな夢のある話をしていたので…。

【きだて】夢語ったか?

【他故】今の流れがそのまま来るという前提で、まだもうちょっとシャープペンシルを楽しみたいなと思っているのが、僕の偽らざる気持ちなんですけど。

【きだて】それは、他故さんの希望なのね?

【他故】そう、それはあくまでも自分の希望です。市場がどうのとか、この先どうなるという話ではなくて、シャープペンシルをもっと楽しみたいなと思っていて。

【きだて】シャープペンシルを楽しむというのは、他故さんにとっては絵を描くということ?

【他故】それもあるけど、書き味の部分だとか、もちろんデザインの部分だとか、いろんなものを含めて楽しむという。シャープペンシルって、今はまだ機能で売られているでしょ。折れないとか、細く書けるとか、実用品として売られている。高くなくてもいいんだけど、書いていて楽しい筆記具になってほしいなってずっと思っているのね。

【きだて】書いているうちにシャープペンがロボットに変形するとか?

【他故】何でやねん!

――それは、きだてさんの得意分野ですよ(笑)。

【他故】シャープペンシルって、本体の機能だけじゃなくて、芯もあるわけじゃない。万年筆で書き味といったら、それはペン先の性能なんだけど、シャープペンシルって、本体の性能だけじゃなくて、芯の性能もプラスになってしまうので。

【きだて】そうだね。

【他故】いいシャープペンシルを買ったのでいいだろうというのは、それは片手落ちで伝わらないところがある。でも、「芯を楽しむ」って言いにくいよね(苦笑)。

【きだて】そこまで特徴のある芯って思い付かないな。「クルトガ芯」ぐらいかな。

【他故】今の芯って、どれも濃く書けるし、折れもしないし、すごくいい芯ばかりなんだけど、「まあ、特徴ってそこまでないよな」というのは確かにあって。

【きだて】書いているとコーヒーのにおいがするとか、カレーのにおいがするとか。

【他故】昔はにおいの芯があったよね。

――三菱鉛筆は、クルトガ芯のほかにも、教科書のツルツルした紙面に書ける芯も出してますよね。

【高畑】あと、カラー芯も最近出てきているよね。

【きだて】あ~、そうね。

【他故】0.5㎜のほかに0.7㎜も出てきたけど、また書き味が気持ちいいんだ。芯が気持ちいいというのも、シャープ芯のウリの一つなんだけど、メカと中の芯を一致させないと言いにくいから、上手く伝わらないところがあって。別に、どの組み合わせが最高というわけではないんだけど。楽しく書きたいというときに、万年筆は他のメーカーのインクを入れてもみんな好きでやってるじゃない。でも、シャープペンシルは、どうも芯の部分があまり語られていないような気がするんですよ。楽しいという意味でね。

――なるほど。

【きだて】そうだね。今中高生が、古いシャープペンだの、新しいシャープペンだので盛り上がっているじゃない。そこで芯が話題になっているのかどうなのかは、ちょっと分からないね。

【高畑】なってなくはないと思うけどね。でも、繊細な人じゃないと分からないくらい、それこそさっきの紙の違い以上に、分かりにくい。それが分かったとしても、表現しにくい。その違いが「こうなんだよ」というのを、ユーチューブなんかで説明しずらいじゃん。

【きだて】言語化しにくい部分だよね。気持ちだから。

【高畑】あれもそうかな。消しゴムの消し心地も説明しずらい。でも、「まとまるくん」と「エアイン」は違うよねというのは、分かりやすいけど。

【他故】硬い、柔らかい、消しカスがまとまる、消しカスが粉になる。そうやって見えて分かるものはね。

【高畑】シャープペンの芯の違いというのが、「分かるよね」「分かる分かる」って言える人が、結構少ないのかな。俺もそこまで意識して使ってないから。ていうか、困らないぐらいみんな性能がいいんだよ。

【他故】何も困らないからね。

【高畑】その違いを楽しめるぐらいになろうと思うと、相当繊細で微妙じゃないとできないので。そういう嗜みを一緒にやる同好の士を見つけるのが難しいっちゃ難しいね。

【きだて】それは一人でも楽しめるんじゃないの。

【高畑】他故さんが楽しみたいっていうのは、「自分で買ってきたものを楽しむんです」だったらいいんだけど、他のものだったら、多少なりともコミュニティだったりとかあるじゃないですか。それに比べると、違いを表現しずらいよね。

【他故】確かにしずらいよね。

【きだて】よく考えると、孤独な楽しみだな。

【他故】僕が思っていることと、人が考えていることは違うだろうというのは何となく分かるんだけど、それを伝える言葉がないというのがあって。でも、息子がまだ小学生でシャープペンシル世代ではないのでよく分からないんだけど、今の中高生はシャープペンシルの芯の書き味について語ったりはしないんだろうか? とずっと思っているのね。僕の中高の頃って、シャープペンの芯の話っていくらでもしたのよ。「俺のぺんてるの芯を、三菱のシャープペンシルに混ぜるな。書き味が変わる」と言って、そういうことを平気で話をしていた世代だったので。

――他故さんが学生の頃に比べると、芯の差がなくなってきているからじゃないですかね。

【高畑】あと、他に語るものが多くなってきたからね。

【きだて】手が回ってない。

【高畑】万年筆のインクだったら、今でもメーカーや銘柄にこだわっている人いるじゃない。そういう人は、ペリカンの万年筆にモンブランのインクを入れると怒るじゃないですか。「フローが違う」とか。

【きだて】それ、「本当かよ」って思うけど。

【高畑】「本当かよ」ぐらいの違いなんだけど。もちろん、中には相性が決定的にいいのとか悪いやつもあるけどね。だけど、シャープペンの場合は、基本チャックがしっかりしていれば書けちゃうんだよね。

――唯一、「オレンズ」の0.2㎜芯だけですよね。

【高畑】替えがきかないから。

【きだて】他にないからね。

【他故】それはどうにもならないやつだからね。

【高畑】でも売り場で、一応パイロットと三菱とぺんてるの芯はちゃんと揃えておかないと、お客さんには色々言われるみたい。やっぱり「ぺんてるがいい」とか言う人いるので。大概の店では、各銘柄を揃えてはいたりするし、その違いが分かっている子どもにとっては、お母さんが適当に買ってきたりすると怒ったりするらしいからね。

【きだて】だた、それは、本当に感触を感じてのことなのか、一番最初に買ったものを嗜好として刷り込みが行われているだけなのか、判断がちょっとつかないよ。

【高畑】ブラインドでやったら分かんないかもしれないよね。

【他故】それはそうだよね。

――みんな純正品を使うのかしら?

【きだて】最初はそうなんじゃないですかね。

【他故】「デルガード」が出たときに、やたらと「デルガード芯」が売れたじゃないですか。

――あ~、その方が折れないんだなと思いますものね。

【高畑】それだとさ、ホッチキスなんかでも、「これ、マックスじゃない針入れたでしょ」ってなるよ(笑)。

――どこの針入れても使えますからね。

【高畑】他故さん的に、シャープペンシルのどこを楽しみたいのか、そのキモを語ってほしいな。

【他故】そもそも、書く紙にもよるし、書くものにもよると思うんだけど、「書いていて楽しい」という個人的なところを、どうやって伝えるのかというのが一番大きいと思っているのね。どちらにしても。シャープペンシルの楽しみというのは、書いたときに「サリサリ」っていう感触の部分がすごく大きいと思うんですよ。個人的には。でも、ノートと違う紙に書いたときはまた違うというのを、僕は言葉でペロッと言ってしまうけど、どうやったらそれを本当に伝えられるだろうか。それをみんなで共有したいという気持ちが大きい。「シャープペンシルで書いていると楽しい」というのを流行らせたいんだよね。気持ちとしては。

【きだて】「書いて楽しい」というのが、他故さんにとっては当たり前なわけじゃない。

【他故】それをどう言語化しようという話だから。

【きだて】それがよく分からないな。「このおじさん、さっきから何を言ってるんだ」って感じだよ(笑)。

【高畑】さっきの紙の話と一緒で、他故さんの話がまだよく飲み込めていないんだよ。

【他故】そうかー。

【高畑】これは、せめてきだてさんに分かってもらえないと、この先もっと多くの人に分かってもらえないんだよ。

【きだて】何だよ、そのきかん坊みたいなポジションは(笑)。

【高畑】どっちかというと、俺も芯についてはオタクっぽいところがあるので、ニュートラルな立場ということでさ。

【きだて】他故さんが言っている「書く=楽しい」の、=の部分を文具王もちゃんと飲み込んでいるのか?

【高畑】全部ではないけど、分かる。「宿題があるから書く」ではなくて、「書くために書く」という、書くそのものの行為をしたいがために書くというのが、僕にもあるので。このペンを使って、何か手を動かしたいので、書くための題材を見つける。写経とかでもそうじゃない。

【他故】それをどうやって伝えるのかが本当に難しい。

【高畑】シャープペンの芯まで行かなくても、上のレベルでもあるよね。

【きだて】実は、俺も一昨年ぐらいから、万年筆をちゃんと始めようと思って、ようやく「書くために書く」というのは分かってきているのよ。ただ、シャープペンシルについては、そこが掴めていないところがあるんだ。

【他故】「どんな筆記具でもいい」というと、主題がぶれちゃうので。

【きだて】そこはシャープペンでいいと思うけど。

【高畑】他のボールペンとは違う、シャープペンの楽しみって何ですかね?

【他故】一番の醍醐味は、書いて消せることのはずなんですよ。だから、失敗してもいい、何遍書いてもいいという感じで、ハードルは低くなるはずだと思うのね。ボールペンで書く、万年筆で書く。何か必要があって書くにしても、必要がなくて書くにしても、間違ったら嫌だねとか、下手に書いたら嫌だよねと言って、紙に何も書かないというのは、すごくもったいないと思ってる。なので、ハードルを下げるという意味でも、シャープペンシルだったら、間違っても消せるじゃない。だったら、最初に自分がパッと何か思い付いて、それを書きたいと思ったら、最初に選ぶ筆記具がシャープペンシルでもアリだろうと。その時に、音が気持ちいいとか、書いていて気持ちがいいとか、書いていて楽しいという気持ちを共有できるものとして、シャープペンシルというものを、もう一回みんな使ってみないかな、という風に思っている。

【きだて】多分ね、「書く=楽しい」というのが、他故さんの中で確定条件としてありすぎて、そこから理解が進まない。

【他故】なかなか「書くは楽しい」は難しいかな。

――多分、それは五感に訴えるものなんですよ。

【高畑】その先の話をしているんだよね。その根幹の部分は、他故さんにはあまりに当たり前すぎて、それがきだてさんに理解できる言葉になっていないんだよ。

【他故】そうか、じゃあ言葉を選ばないといけないな。

【きだて】まず、感触の話なの?

【他故】ます、書きたいんだよね。

【高畑】休みの日にバイクで走る人って、目的地がないけど、バイクで走りたいから走るんだよね。ドライブが好きな人って、クルマでもバイクでも運転することが好きで、どこかへ行きたいわけではないじゃないという人もいるじゃないですか。そういう話でいくと、シャープペンシルを意のままに扱うのが好きなのかな。

【きだて】今、聞いていて思ったのが、他故さんの中でまず書きたいものがあって、それを出力できるのが楽しいのかな。だから、出力ツールとして使えるのが楽しい。

【他故】う~ん。

【きだて】だけではないの?

【他故】違うね。だから複雑になっちゃうのかな。

――前提として、シャープペンを使いたいのがまず一番なんですよね。

【他故】一番ですね。

――それを、どうやって使うかは二番目なんですね。

【高畑】そのために絵を描くのを思いついたり…。

【他故】頭の中に具体的な絵があるわけではなくて、指から自動的に出てくるものが描けるだけなので。

【高畑】分かりにくいな(笑)。

【きだて】また分からなくなった(笑)。

【高畑】それは、電話をしながらいたずら描きをしていたら絵になったみたいな?

【他故】それとは違う。そうじゃなくて、頭の中にあるものを僕自身が理解してないだけなの。

【きだて】俺が電話していると、Macのコマンドキーの模様が延々と描かれちゃうんだけど。

【他故】俺は、電話しながら一切メモできないもの。そっちに集中しちゃうから。

【きだて】えっ、あ~。

【他故】一つのことしかできないので。だから、絵を描くというよりは、シャープペンシルを使うことしかできないの。

【きだて】また、訳が分からなくなってきた(笑)。

――それは、なかなか難しいですね。

【きだて】難しいね。

【高畑】それは、かなり純化されている、シャープペンシルを使うという楽しみであって。

【きだて】何か、他故さんが片岡義男に見えてきたよ。他故さんが「ワインディング・ロード」とか言い出してきた感じだよ(笑)。

【高畑】バイクでサーキットを走っている人が、レースでも何でもなく、純粋に走ることに集中しているみたいな感じかな。

【きだて】そういう状態なの? 目的地のないツーリングなの?

【他故】そうだね。とにかく、何か一つ描き終わるまでは、無の状態だものね。

【きだて】禅だ(笑)。

――ゼンタングルですね。

【高畑】ああ、ゼンタングルってそうなのかもしれないね。

【他故】ゼンタングルは確かに、この間初めて描きましたけど、教則本に倣って描いているうちは楽しくもなんともないんですよね。

【高畑】多分、それが体から自然に出てくるようになると、他故さんの境地に近いものがあるのでは。

【他故】コツをつかむようになれば、何も考えずにできたからね。

【高畑】そうだよね。ゼンタングルは人から教わったものだけど、他故さんが描いているものは、他故さんの内側から出てくるゼンタングルみたいなものなんだよね。

【他故】だから、ゼンタングルをやってみて、真似ているうちは面白くもなんともないんだよね。

【高畑】でも、それが無の境地でできるようになってくると、それに没頭している時間が楽しくなってくるんだ。

【他故】楽しいね。

【高畑】それが、他故さんの場合は、シャープペンじゃないとできないんだ。

【他故】できない。字を書くというのは、すごい頭を使うのね。万年筆やボールペンを使うときは字を書くので、その時は頭を使うので、無にはなれないよ。字を間違えちゃいけないとかね。シャープペンシルを使っているときは、本当に無なので。

【きだて】じゃあ、その差は何だ?

【他故】シャープペンシルとボールペンの差は、シャープペンシルでは字を書かない。

【きだて】何故?

【他故】なんでかというと、シャープペンシルで字を書くのが、今のところ生活の中にないから。

【高畑】それは、たまたまということなの?

【他故】ノートに書くときはフリクションを使うし、手紙を書くときは万年筆を使うしという感じで、それぞれ役割は決まっていて、シャープペンシルはその役割の中に一切出てこない。日常の筆記具として。なので、シャープペンシルを持った瞬間は、絵を描く瞬間だし、無の瞬間なの。だから、それがすごく楽しい。

【高畑】多分、すごいミクロコスモスな話なんだよね。興味深い話なんだけど、それを共感するのが難しい類いのものだよね。

【きだて】輪郭は見えてきたけど、それは宇宙人の輪郭だ(笑)。

(一同爆笑)

【きだて】地球人の輪郭をしていない。手足が8本ぐらいある姿が浮かんでるよ(笑)。

――他故さんだから(笑)。

【高畑】他故さんの話を「あ~、分かる」という人がいて、その人が「僕はボールペンを持ったときが無なんです」という場合は、それはシャープペンシルじゃないけど、同じものを楽しんでいるんだよ。

【きだて】そうだよね。

【高畑】「ゼンタングルをミリペンで描いてます。描いて無になるのが好きなんです。それがあってこのペンが好きなんです」みたいな人は、他故さんに近いんだよね。

【きだて】他故さんが今後すべきは、シャープペンシルを広めるではなくて、無の状態を筆記具で楽しむことなんじゃないかな。

【他故】そっちか(笑)。

【高畑】筆記具を使うときは、どうしても目的を持って使ってしまうし、ゴールを設定してから使おうとするけど、そうではない楽しみ方をずっとしているよと。その楽しみ方が、シャープペンシルであるかボールペンであるかは分からないけど、そこを広げた方が分かりやすいかもしれない。

【きだて】他故さんが語りたいのは、実はそこなんじゃないかという気がしてきた。

【他故】あ~。そうかそうか。たまたまシャープペンシルで始めちゃったけど。

【きだて】それだと、スッと入ってくるんだ。「何故シャープペンなんだろう?」というところで止まってたから。

【他故】「気持ちよく書くための筆記具に出会うといいよね」という話だ。

【きだて】そこだね。

【他故】おそらくはそこなんだよ。

【高畑】その対象が、他故さんはシャープペンなんだけど、人によったらそれが違っているかもしれないよね。

【きだて】それが、「きだては万年筆だろ」と言われたら、「あっ、そうだ」ってなるんだよ。

【他故】おー、なるほど。

【きだて】何故なら、俺の生活の中で、万年筆を使うということがなかったから。

【高畑】なるほどね。

【きだて】全く異なるものとして楽しみだしたので。それこそ、万年筆で何の意味もないもを書いたりはした。

【高畑】それは、他の筆記具よりもやりやすいの?

【きだて】万年筆を使い出して、まず面白がってしていたのが、TVを見ながら無意識に万年筆を持っているんだけど、CMになったらそれに出てくる、何の意味もないけど、耳に残っている言葉を全部書き出すという遊びをしていたのね。自分でも意識していないけど、手が延々と動いている状態になっていて、それはひょっとして他故さんのそれに近いのかもしれない。

――あ~、ちょっとトランスっぽい感じのね。

【きだて】それは、感触を楽しむための方便だったわけだけど、そこに書くための目的はなかったので、まさに目的地のないツーリングに近かったんだよ。それが割と楽しかったんだ。

【高畑】なるほど。

【きだて】だから、「そういうことなんだよ」と言われると腑に落ちた。

【他故】その側面は間違いなくあるよ。そうだと思う。

【きだて】多分、「筆記具ツーリングのすすめ」とか、そういう感じだよ。

【高畑】そんな感じなのかもね。

――まあ、他故さんがシャープペンシルというのは、現状流行っているからというのもあるでしょうし。

【他故】それはありますね。

【高畑】筆記具ツーリングを始めるにあたって、他故さんのおすすめはシャープペンシルということなんだよね。

【きだて】社会人ならそうだよね。

【高畑】普段使うのがボールペンになっちゃうからね。今、新しい機能のものとか増えたというのもあるしね。大人に向かって、「そういうのやりませんか」と言ったときに、「ボールペンもいいけど、シャープペンもせっかくここまで広がってきているから、やりませんか」というかたちで、シャープペンの楽しさをもう一回見つけるというのはアリだよね。

【他故】そうね。

――ご賛同いただける人は、他故さんにご連絡を。

(一同爆笑)

――「実は、私もそうなんです」という人は結構いるのでは。

【きだて】ひょっとしたら、一番金になるのは他故さんかもしれないね(笑)。

【高畑】未来のない文具王と…。

【きだて】「かわいい」と言い続けるしかない俺と…。

【他故】トランスに入っている俺と(笑)。

【きだて】どんな新年じゃ!

プロフィール

きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。東京・京橋の文具店・モリイチの文具コラムサイト「森市文具概論」の編集長も務める。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
【森市文具概論】http://shop.moriichi.net/blog/

他故 壁氏(たこ かべうじ)
文房具トークユニット〈ブング・ジャム〉のツッコミ担当。文房具マニアではあるが蒐集家ではないので、博物館を作るほどの文房具は持ち合わせていない。好きなジャンルは筆記具全般、5×3カードとA5サイズノート。二児の父親。使わない文房具を子供たちに譲るのが得意。「森市文具概論」で「ブンボーグ・メモリーズ’80s」を連載中。

たこぶろぐhttp://powertac.blog.shinobi.jp/

*このほか、ブング・ジャム名義による著書に『筆箱採集帳 増補・新装版』(廣済堂出版)があるほか、弊社よりKindle版電子書籍『ブング・ジャムの文具放談』シリーズを好評発売中。購入はこちらから。

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