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【イベント】9代目ファーバーカステル伯爵が初来日!トークショーで伯爵コレクションを語る

千葉 勇

1761年創業のファーバーカステルは、現存する世界最古の筆記具メーカー。その9代目となるチャールズ・フォン・ファーバーカステル伯爵がこのほど初来日し、2017年10月25日に銀座・伊東屋G.Itoyaの10階HandShake loungeで開催されたトークショーに出演。ブランドを長く続ける秘訣や伯爵コレクション「ギロシェ」シリーズの新色などについて語った。

トークショーは、ファーバーカステル伯爵(写真左)に「趣味の文具箱」の清水茂樹編集長(写真右)がインタビューする形式で進行した。最初に清水編集長が「ブランドを長く続ける秘訣は何ですか」と質問すると、ファーバーカステル伯爵は「ブランドの成功や継続の要因はひとつだけではなく、いろいろな要素があると思います。例えば次の世代に何を残すかを考えて行動することが非常に大切です。もうひとつ大事なことは、その時代に合わせた商品を作ることです」と回答した。

続いて、「代々受け継いでいく事柄はありますか」という質問では、「ブランドを継続していくこと、次の世代に何かを送っていくことは、父の存在なしに語ることはできません。父は約40年間もファーバーカステル社を率いてきましたが、残念ながら昨年亡くなってしまいました。先代がやってきたことを見つめて、自分の世代としては何を残すべきかを考えています。商品に関しては比類のない高品質の製品を生み出すことや、人間はもともとクリエイティブな存在ですので、人間のクリエイティビティを生かした商品を作ること。そして、ファーバーカステルは環境適応先進企業としても知られていますので、環境保護という視点も大事な要素です」と述べた。

伯爵コレクションの新作「ギロシェ」シリーズのカラー展開については、「伯爵コレクションは個性を表現するためのブランドです。以前はモスグリーンのインクなんてだれが使うのだろうかと思っていました。ですが、時間をおいて考えてみると、ブラックやブルーのインクだけではなく、さまざまな色のインクが存在するのは、ペンオーナーが自分の個性や思いをインクの色を使ってより鮮やかに表現できるということです。そういう意味で、伯爵コレクションや特にギロシェに関しては、個性を表現するためのツールとして自分は捉えています」と語った。

また、「デジタルツールが日常に入り込んでいる中、ペンが果たす役割や価値をどのように考えていますか」という質問には、「デジタル機器やSNSに人々は疲れ始めているのではないでしょうか。そこで原点回帰と言いますか、手書きやアナログへの回帰があるのではないかと思っています。人々は手を動かして書くという実感を得たいのかもしれません。大人のぬりえが流行していることからも分かるとおり、手で書くことには意味があるのではないかと考えています。仕事ではデジタル機器を使いますが、やはり自分で文字を書いて誰かに思いを伝えることの大切さを皆さんがもう一度実感し始めたのだと思います」と答えた。

なお、G.Itoya3階では、10月21日から11月2日まで「ファーバーカステルフェア」を開催中。フェアでは、ヨーロッパ伝統の波縞模様が刻まれているシリーズ「ギロシェ」の新色をはじめとする伯爵コレクションの各アイテムが並んでいる。

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